ソロモンの詩篇 (ソロモンのしへん)
Psalms of Solomon
旧約聖書偽典中の一書。前1世紀の後半に,パリサイ派あるいはそれに近い立場の著者により書かれた18の詩篇。ポンペイウスのエジプトにおける死が,彼のエルサレム侵入の罰とされている。罪人(律法違犯者,偽善者)と義人(敬虔な人,聖者)の対立は,異邦人とユダヤ人の図式を超えて,ユダヤ人内部の問題とされる。他方,義人とは決して罪を犯さない人間の謂ではなく,罪に対する神の懲らしめを受け入れて耐え忍ぶ人のことであり,神は罪を犯した義人の悔い改めに対して,慈愛をもってその罪をゆるしたまうと述べる。
→マナセの祈り
執筆者:土岐 健治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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ソロモンの詩篇
ソロモンのしへん
Psalmi Salomonis; The Psalms of Solomon
旧約聖書偽典中唯一の詩篇。 18編より成る。表現,文体からみて正典の『詩篇』を参考にしたのは明らか。前 70~40年頃,パリサイ派のユダヤ人によって書かれた。 18の詩の内容は賛歌,感謝の詩,哀歌,教訓詩に分れ,『詩篇』と相似している。ヘブライ語原文は現在のところ発見されておらず,ギリシア語訳,シリア語訳が残っている。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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