タイブレーク(読み)たいぶれーく(英語表記)tie break

日本大百科全書(ニッポニカ) 「タイブレーク」の意味・わかりやすい解説

タイブレーク
たいぶれーく
tie break

時間制限のないスポーツ競技において、決着を早めるために採用される試合方式タイブレーク均衡を破るという意味である。野球ソフトボールテニスバレーボールセパタクロー、カーリングなどの試合で、規定延長戦などを経ても勝敗が決まらない場合に採用される。タイブレーカーtiebreakerともいう。競技ごとに規定があり、一部の国際競技団体などでは国際大会の運営組織が独自に規定を設けている場合もある。

 たとえば、テニスでは各セットでゲームカウントが6対6になったときにタイブレークのルールが適用される。ポイントは1ポイントずつ増え、相手選手に2ポイントの差をつけて7ポイントを先取したほうをそのセットの勝者とする。ただし、ポイントが6対6になった場合は、2ポイントの差がつくまでプレーは続けられる。なお、2022年3月、四大大会の主催者は四大大会で統一的に最終セットのタイブレークについて、2ポイント差以上をつけて10ポイント先取した選手・チームが勝者となる方式を試験的に導入すると発表した。

 野球では、たとえば2021年(令和3)に行われたオリンピック東京大会(2020)の場合、9回を終えて同点のとき、延長10回からは無死走者1・2塁(打順は前イニング終了後からの継続打順で、先頭打者の前の打順の者が1塁走者、1塁走者の前の打順の者が2塁走者)の状況から試合を開始、両チームの延長10回の攻撃が終わっても勝敗が決まらなければ決着がつくまでタイブレークを継続するという方式が採用された。国際大会は、オリンピックでは2008年の北京(ペキン)大会から、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では2009年の第2回大会から採用されている。日本の大会は、社会人野球では2003年(平成15)の大会(都市対抗野球大会など)から、大学野球では2011年の大会(全日本大学野球選手権大会など)から、高校野球では2018年の大会(選抜高等学校野球大会、全国高等学校野球選手権大会など)から採用された。タイブレークを適用するイニング、打順や走者についてのルールは、大会ごとに決められている。

[編集部 2023年5月18日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android