デジタル大辞泉
「カーリング」の意味・読み・例文・類語
カーリング(curling)
氷上で行うスポーツの一種。4人一組の2チームが、ストーン(握りのついた丸い石)を氷の上で投げて滑らせ、約37メートル離れたハウス(目標区域)に入れて得点を競うもの。ブルーム(箒)で氷上を掃き、石の進路を変える。発祥地はスコットランド。
[補説]綿密な戦略と技術、駆け引きが重要なことから「氷上のチェス」ともよばれる。冬季オリンピックでは男女ともに、1998年の長野大会から正式競技に採用された。
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カーリング
英スコットランド発祥とされ1998年長野冬季五輪で正式種目になった。氷上で取っ手の付いたストーン(石)を滑らせ、約40メートル先のハウス(円)を狙う。10エンドで争う4人制は1エンドに各選手が2投ずつ。ハウス内中心に最も近い相手の石より内側にある味方の石の数が得点となる。司令塔として作戦を決めるスキップが大きな役割を担う。戦略や駆け引きが必要で「氷上のチェス」と呼ばれる。日本カーリング協会によると国内の競技人口は愛好者も含め約3千人。
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カーリング
- 〘 名詞 〙 ( [英語] curling ) 氷上で行なうスポーツの一種。長さ一四六フィート(約四四・五メートル)、幅一五フィート七インチ(約四・七五メートル)のリンクの一端に四重の円を描き、握りのついた円盤状の石(ストーン)を滑らせて、中心の円への接近の度合いで得点を競うもの。
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カーリング
かーりんぐ
curling
氷の上で行うスポーツの一種。ハンドルのついた平らな円形の石(ストーン)を滑らせ、標的に入れて得点を競う。このスポーツの発祥地はスコットランドで、16世紀の初めにはすでに行われていた。ただし、似たような遊びがオランダなどで行われていたことは、ブリューゲルの絵でも明らかである。1838年にはスコットランドでグランド・カレドニアン・カーリング・クラブが創立され、そこを中心に世界に広まり、1959年より世界選手権が行われている。もっとも盛んな国はカナダで、2013年時点で約250万人の人々が楽しみ、アメリカやヨーロッパでも競技人口は多い。日本では1937年(昭和12)1月に諏訪湖(すわこ)(長野県)で初めて紹介され、同年にカーリング大会が山中湖(山梨県)で開催された。2013年(平成25)時点では北海道、長野を中心に全国22都道府県と広まり、カーリング人口は約2万人である。1998年(平成10)の第18回冬季オリンピック・長野大会で初めて正式競技として採用され、男子はスイス、女子はカナダが優勝した。
2006年の冬季オリンピック・トリノ大会では、日本の女子チーム(チーム青森)の全試合がテレビ中継され、7位入賞という活躍をみせたことで、日本におけるカーリングの認知度が一挙に高まった。2008年の世界女子カーリング選手権では4位に入賞している。2010年の冬季オリンピック・バンクーバー大会でも8位入賞を果たした。
[小林 宏]
1チーム4人の2組で行われ、長さ44.50~45.72メートル、幅4.42~5.00メートルのシートとよばれる氷上で、端にある直径3.66メートルのハウスとよばれる円に向かって、反対側より、1人2個ずつ計16個のストーンを交互に滑らせ合って、円の中心にどちらが近いかで得点を競う。円の中心をボタンといい、ストーンの遠近を測るため3本の同心円が描かれている。得点は、中心にもっとも近い場所にストーンを置いたチームが獲得し、相手チームは0点である。その際、相手チームのもっともボタンに近いストーンのさらに内側にある自チームのストーンの数を足した数が得点となる。
ストーンは、重さ19.96キログラム、円周91.44センチメートル以下で、高さは11.43センチメートルを下回ってはならない。過去には鉄製のものもあったが、現在では花崗岩(かこうがん)(御影石(みかげいし))しか公認されていない。
4人のチームメンバーの呼び名はリード、セコンド、サード、スキップとよばれ、一般的にはこの順番に2投ずつ行う。スキップがチームの主将となり、おもにゲームの作戦を決める。スキップが投げる目標を指示し、その目標に向かって1人がストーンを投げ、残りの2人が掃き手となり、ブラシで、投げられたストーンの進行方向の氷面を掃く。これによって氷面をスムーズにして、スピードおよびコースを保つことができる。また、投げるときにストーンに与える回転も重要な技術の一つである。両チームのリードの2投は、フリーガードゾーンにある相手チームのストーンを動かすことができてもはじき出すことはできない(フリーガードゾーンルール)。二つの相対するチームが各8個のストーンを交互に投げ終わると1エンドが終了し、公式戦の場合は10エンドで1ゲームとなり、その合計得点によって勝敗を決める。
[小林 宏]
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知恵蔵
「カーリング」の解説
カーリング
氷の上で行われるウィンタースポーツの一つ。一般的に長さ150フィート(45.72メートル)、幅16フィート5インチ(5メートル)のシートまたはアイスと呼ばれる細長いリンクで行われる。約20キログラムの花崗岩(かこうがん)でできた石(ストーン)を投げて滑らせ、相手チームよりもハウスと呼ばれる円の中心に近い場所に置いたストーンの数の得点を競う。高度な戦略や技術が必要とされるため、氷上のチェスとも称される。
15~16世紀にスコットランドで始まったという説が有力で、現在のルールは国民的スポーツとなっているカナダで確立されたと言われている。日本では1936年にドイツで行われた冬季オリンピックに参加した選手がストーンを日本に持ち帰り、デモンストレーションを行ったのが最初という説がある。
1998年の長野大会から、冬季オリンピックの正式種目となっている。2018年の平昌大会では女子日本代表チームのロコ・ソラーレ(LS北見)が3位となり、この種目では史上初のメダルとなる銅メダルを獲得した。
試合はリード・セカンド・サード・スキップの1チーム4人で行うが、フィフスと呼ばれる補欠選手を1人登録することができる。攻撃の際の持ち時間は各チーム73分で、コイントスやじゃんけんなどで先攻後攻を決め、試合が開始される。
まず先攻チームのリードが1投目のストーンを投げ、次に後攻チームのリードの1投目、続いて先攻チームのリードの2投目、そして後攻チームのリードが2投目を行う。同様にセカンド・サード・スキップと交互に両チームが1人2投ずつ行っていく。この1投ごとに、ストーンが滑る先の氷上をブラシでこすって速度や方向を調整するスウィーピングという作業をすることができる。そうして合計16投したところで1エンドが終了する。この時点でハウスの最も中心に近い場所にあるストーンのチームに得点が入り、相手チームのストーンの中で最も近いものより内側にある数だけ得点となる。なお先攻チームよりもエンドで最後にストーンを投げる後攻チームの方が有利となるため、得点をあげたチームが次のエンドでは先攻となる。両チーム点数の入らないブランクエンドとなった場合は、次のエンドで先攻と後攻が入れ替わることはない。こうしてエンドを10回行って、得点の多いチームが勝者となる。10エンド終了時点で同点の場合は、決着がつくまでエンドが延長される。
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カーリング
氷上でストーン(円盤状の石や鉄など)をすべらせ,標的に入れて得点を争うボウリングに似た競技。ブルーム(ほうき)で氷面をはいたり,ストーンの周囲の空気を動かしてストーンのコースをコントロールするが,直接ストーンに触れることはできない。1チーム4人(リザーブを入れると5人),2組で行う。スコットランドで始まったという説が有力だが,欧州大陸という説もある。1980年,日本でも〈東京カーリング・クラブ〉が発足した。1988年,カルガリーオリンピックで公開競技種目となり,1998年の長野オリンピックから正式競技種目となった。2006年のトリノオリンピックで女子代表チーム〈チーム青森〉が7位に入賞する健闘を見せ,全試合がTV中継されたこともあって,日本国内でカーリングの認知度が一挙にあがった。2010年のバンクーバーオリンピックでは同じく女子代表の〈チーム青森〉が8位となったが,急速に力をつけた中国が銅メダルを獲得,アジアでの日本の強力なライバルとなった。2014年ソチオリンピックでは,〈北海道銀行〉が5位に入賞した。男子は長野オリンピック以降オリンピック出場権を獲得していない。2013年の世界ランキング上位は男子はカナダ,スコットランド/イギリス,スウェーデン,ノルウェー,スイスの順で,アジア勢では13位に日本,18位に韓国。女子の上位はスウェーデン,カナダ,スコットランド/イギリス,スイス,中国の順で,日本は9位,韓国は10位である。
→関連項目冬季オリンピック
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カーリング
curling
氷上で行われるボウリングに似たスポーツ。取っ手のついた厚みのあるストーン(鉄や石などでできた円盤)を氷上に投げ,その通路をブルーム(ほうき状のもの)で掃いてスピードを調節しながら進ませ,標的の円の中に入れる。発祥地はスコットランドで,古くは石を用いて行った。スコットランドでは1511年の日付のあるカーリング用の円い石が発見されている。1800年代には鉄が使用されるようになり,38年にはグランド・カレドニアン・カーリング・クラブがスコットランドに設立されてルールの整備を行った。現在ではカナダをはじめ,北アメリカやヨーロッパ諸国でも盛んに行われている。1988年の冬季オリンピック・カルガリー大会で公開競技種目として採用され,98年の長野大会からは正式競技種目となった。
競技は1チーム4人で,2チームの対抗戦。1人2個ずつ,両チームで計16個のストーンを交互に投げあう。投げ手のほかに2人のスウィーパーがリンクに立ち,ブルームをもってストーンが作戦どおり走るよう行動する。得点は全部のストーンが投げられたあと,相手チームのいちばん目標に近いストーンより,さらに中心に近いストーンがあれば,その数だけ得点となる。
1980年12月には日本にも〈東京カーリング・クラブ〉が作られた。
執筆者:薗田 碩哉
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カーリング
curling
ストーンと呼ぶ取っ手のついた花崗岩製の丸い石を,氷上に描かれた円 (ハウス) に向けて滑らせ,その中心部により近づけることによって得点を競う競技。ボウリングとおはじきを兼ねたようなゲーム。石がゆるやかに旋回 (カール) しながら滑っていくことからこの名がついた。 16世紀頃スコットランドで始まり,アメリカ合衆国,カナダ,ヨーロッパ諸国に広まった。リンクは約 44.5m× 4.75mの長方形で,ストーンは直径約 30cm,重さ約 20kg。ハウスの直径は約 3.6m。競技は2チーム対抗で行なわれ,1チームはリード,セカンド,サード,スキップの4人で構成,スキップは司令塔の役目を果たす。両チームが交互に1人2回,計 16個を投げたところで1エンドが終了,ハウス中心部 (ティー) により近いチームがそのエンドの勝者となる。その際,負けたチームのいちばん内側にあるストーンよりもさらに内側にある勝ちチームのストーンの個数が得点となる (負けたチームはゼロ) 。これを 10エンド行ない,その合計点で勝敗を決める。2人の選手がブルーム (長い柄のついたほうき) あるいはブラシを持ち,投げられたストーンの前方の氷面を掃いてストーンの回転や速度を調節する。交互に投げることによって,相手のストーンをはじき出したり,ハウスの前に置いて味方ストーンを相手から守ったりするなど,相手の戦略を探りながらの競技で「氷上のチェス」ともいわれる。 1998年長野オリンピック冬季競技大会からオリンピックの正式競技となった。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報