タカリー族(読み)タカリーぞく(英語表記)Thakali

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タカリー族」の意味・わかりやすい解説

タカリー族
タカリーぞく
Thakali

西部ネパールのカリガンダキ河谷に住む民族。形質的にはモンゴロイドに属し,言語は隣接するグルン族マガール族などとともに,チベット=ビルマ語族に属する。人口約1万と推定される。テライ平野とチベット高原の中間に位置する地の利を占めて,昔から交易に従ってきた。交易中継地のトゥクチェより南では,農耕生業である。社会は4つの父系外婚氏族から成る。宗教は伝統的なシャーマニズムチベット仏教と習合したものであるが,最近では一部にヒンドゥー化の傾向が強く,カースト観念が影響を与えつつある。ポカラ,グルカー付近の街道沿いの茶屋を経営する者も多く,商業民として知られる。

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