タチイヌノフグリ(読み)たちいぬのふぐり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「タチイヌノフグリ」の意味・わかりやすい解説

タチイヌノフグリ
たちいぬのふぐり
[学] Veronica arvensis L.

ゴマノハグサ科(APG分類:オオバコ科)の一年草または越年草。茎は直立し、高さ5~40センチメートル。葉は茎の下部では対生するが、上部では包葉となって互生する。3~6月、径4ミリメートルの青紫色花を開く。イヌフグリに似ているが、無柄の花が穂になって立つので、区別できる。果実心臓形蒴果(さくか)で葉腋(ようえき)につく。ヨーロッパ原産の帰化植物で、道端や畑の雑草として普通に生え、日本全土に分布する。

[久保多恵子 2021年8月20日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タチイヌノフグリ」の意味・わかりやすい解説

タチイヌノフグリ
Veronica arvensis; wall speedwell

オオバコ科の越年草。ヨーロッパ原産で明治初期に渡来し,いまでは雑草として各地の畑や路傍に普通に見られる。春から初夏にかけて,明るい青色の 4弁の小花をつける。植物体全体が地面をはうことなく立ち上がることと,花柄が短いため結実後に果実が上を向いていることから,タチイヌノフグリという。同属の帰化植物に,イヌノフグリオオイヌノフグリがある。

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