タチフウロ(読み)たちふうろ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「タチフウロ」の意味・わかりやすい解説

タチフウロ
たちふうろ / 立風露
[学] Geranium krameri Fr. et Sav.

フウロソウ科(APG分類:フウロソウ科)の多年草。茎は直立し、高さ60~80センチメートルとなるが、基部は倒伏し、葉柄とともに下向きのやや開出した毛がある。葉は根生し、茎上では対生する。葉幅は7~10センチメートルで5深裂し、裂片は菱(ひし)形でさらに3裂し、少数歯牙(しが)がある。両面ともに毛があり、とくに裏面の脈上は毛が多い。托葉(たくよう)は緑色を帯びて狭く、離生する。8~9月、長い花柄の先に径約3センチメートルの淡紅紫色花を2個開く。花弁は5枚、濃紅紫色の脈が数本あり、基部に白毛を密生する。小花柄は果時に開出する。山地草原に生え、本州から九州、および中国、アムールに分布する。

[小林純子 2020年8月20日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タチフウロ」の意味・わかりやすい解説

タチフウロ(立風露)
タチフウロ
Geranium japonicum

フウロソウ科の多年草で,アジア東部の温帯に広く分布し,北海道を除く日本各地の山地の草原に自生する。茎は高さ 80cmほどにもなり,長い柄のある葉を互生する。葉は掌状に深く5裂し,両面に毛が多い。夏の終りに長い花軸を出し,集散花序をつける。花は径 3cmほどで淡紅色,5枚ある花弁はやや長く平らに開き,濃い赤紫色の脈が目立つ。

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百科事典マイペディア 「タチフウロ」の意味・わかりやすい解説

タチフウロ

フウロソウ

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世界大百科事典(旧版)内のタチフウロの言及

【フウロソウ(風露草)】より

…西南日本の山地草原にはイヨフウロG.shikokianum Matsumuraがあり,ハクサンフウロと似ているが,分布域は重ならない。関東,中部地方,九州などの高原にみられるタチフウロG.krameri Fr.et Sav.(イラスト)は,葉が少し厚くざらざらし,淡紅色の花をつける。あまり大きい群落にはならず,数本ずつ離れて生育することが多い。…

※「タチフウロ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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