タチヤナギ（読み）たちやなぎ

日本大百科全書(ニッポニカ)

タチヤナギ
たちやなぎ / 立柳
[学] Salix triandra L.
Salix subfragilis Anderss.

ヤナギ科（APG分類：ヤナギ科）の落葉小高木。新葉は中央部が淡褐色を帯び、樹皮は薄くはがれる特性がある。葉は互生し、卵形または広披針(こうひしん)形で縁(へり)に浅い鋸歯(きょし)があり、裏面は白色を帯び、両面とも毛はない。雌雄異株。春、葉とともに花穂を出す。包葉は淡黄色、雌花では脱落する。雄花は雄しべ3本、葯(やく)は黄色で花糸の下部は毛があり、背腹に2個の腺体(せんたい)がある。雌花は、子房は毛がなく、長い柄があり、腹側に1個の腺体がある。水辺に生え、北海道から九州、および朝鮮半島、中国北部、ウスリーに分布する。名は、枝が立つ樹形による。

［菅谷貞男　2020年7月21日］

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

タチヤナギ(立柳)
タチヤナギ
Salix subfragilis

ヤナギ科の落葉小高木で，平地の水辺に多くみられる。葉は互生し，長さ 10cm前後の披針形で葉柄がある。葉質はやや厚く，裏面は白色を帯びる。雌雄異株で，春に，短枝の先端に小型の尾状花序を出して多数の花をつける。雄花序は黄色く，雄花はおしべ3本と2個の蜜腺から成り，雌花序は淡緑色で，めしべ1本と1個の蜜腺から成る。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典