タニソバ(読み)たにそば

日本大百科全書(ニッポニカ) 「タニソバ」の意味・わかりやすい解説

タニソバ
たにそば / 谷蕎麦
[学] Persicaria nepalensis (Meisn.) H.Gross
Polygonum nepalense Meisn.

タデ科(APG分類:タデ科)の一年草。茎は毛がなく、下部は地に伏し、斜め上に伸び、高さ30~50センチメートル。葉は卵形で先は鋭くとがり、基部は円形または平らで、裏面に腺点(せんてん)があり、葉柄は翼状に茎を抱く。8~9月、枝頂および葉腋(ようえき)に、頭状に密に集まった白色花を開く。痩果(そうか)は黒色で円形、両面は膨らむ。山地の林中に生え、北海道から九州、および朝鮮半島、中国、マレーシア、インド、アフガニスタンなどに広く分布する。近縁のミヤマタニソバP. debilis (Meisn.) H.Gross ex W.T.Lee(P. debile Meisn.)は、茎に逆刺(さかとげ)があり、葉柄に翼がなく、葉は三角形で裏面に腺点がないなどの点で、タニソバと異なる。山地の林中に生え、本州から九州に分布する。

[小林純子 2020年12月11日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タニソバ」の意味・わかりやすい解説

タニソバ(谷蕎麦)
タニソバ
Persicaria nepalensis(Polygonum nepalense)

タデ科の一年草。東アジアの温帯に広く分布する。日本各地の原野や山地の陰湿地に生える。茎は無毛で通常紅色を帯び,よく分枝して斜上する。卵状三角形の軟質の葉が互生する。葉柄部分にひれのような翼があるのが特徴である。初秋に,枝の先端または葉腋に頭状に集って白色の小花を多数つける。花弁はなく,おしべが6~7本ある。

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