タンシュイ区(読み)タンシュイ(その他表記)Tan-shui

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タンシュイ区」の意味・わかりやすい解説

タンシュイ(淡水)〔区〕
タンシュイ
Tan-shui

タイワン(台湾)北部,シンペイ(新北)市北西部の区。2010年12月にタイペイ台北)県が直轄市の新北市に昇格したのに伴い,淡水区となった。タイワン(台湾)海峡に注ぐタンシュイ(淡水)河の河口北岸にある。
淡水は台湾北部の港湾集落では最も古い歴史をもち,1620年代には極東貿易の根拠地として東方のチーロン(基隆)を掌握したスペイン人によって占領された。1642年,スペインはオランダに駆逐され,オランダもまた 1662年に鄭成功により追い出された。1683年には中国の清の支配下に入った。18世紀初頭には台湾島内で交易が始まり,また大陸とはフーチョウ(福州)チュワンチョウ(泉州)などフーチエン(福建)省との商業的な結びつきを強めた。1860年には外国との貿易が開放され,その後数年のうちに淡水は福建からの入植者によって茶の取り引きの中心となった。台湾茶は福州にいったん運ばれたあとヨーロッパへ輸出された。1884~85年の清仏戦争でフランスに占領されたが,シャンハイ(上海),ホンコン(香港),シンガポールを結ぶ航路が開かれ,1880年代後半にかけてさらなる発展を遂げた。しかし,基隆港につながる鉄道が整備され,淡水河河口付近の沈泥が進むと外港としての役割を失った。今日,タイペイ(台北)市などの都市圏住民の行楽地となっている。人口 16万2221(2015推計)。

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