ターキン(読み)たーきん(その他表記)takin

デジタル大辞泉 「ターキン」の意味・読み・例文・類語

ターキン(takin)

ウシ科の哺乳類。大形のカモシカで、体高約1.2メートル。がっしりした体つきで、角は水平に伸びる。中国南西部・ヒマラヤ東部・ミャンマー北部に分布国際保護動物

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ターキン」の意味・わかりやすい解説

ターキン
たーきん
takin
[学] Budorcas taxicolor

哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ウシ科の動物。別名ブドルカとよばれ、ジャコウウシ近縁。小さな群れをなし、冬はしのぎやすい低山帯へ降り、夏は高山に新鮮な草を求める。体形はウシによく似る。大きな頭で鼻口部の幅は広い。角(つの)は雄雌ともに生え、両わきに伸びたあと弓形に反り上がる。体は頑丈で、前後肢は太くて短い。3亜種が知られる。基亜種アッサムターキンB. t. taxicolorは肩高100~120センチメートルで、ネパール、インドのアッサム、ブータンに分布し、秘境の山岳地帯の標高2500~4000メートルにすみ、シャクナゲササを食べて暮らす。体色は黄金色や赤褐色で、体毛のところどころに黒色が混じる。スーチョワンターキンB. t. tibetanaは中国四川(しせん)(スーチョワン)省に分布。体色はぼやけた黄色や赤灰色、銀灰色で黒斑(こくはん)は目だたない。シャンシーターキンB. t. bedfordiは中国山西(シャンシー)省南部の聖山、太白山に分布する。

 3亜種ともに繁殖期は7~8月で、3~4月ごろ1子を産む。子は3日で母親の後をついて歩く。生息数はきわめて少ない。スーチョワンターキンとシャンシーターキンの2亜種は、かつて肉が珍重されたため乱獲され、個体数が激減した。現在は両者とも生息数は知られていないが、推定で200~300頭ぐらいといわれている。そのため、中国では厳格に守られて、保護第一級動物に指定されている。

[北原正宣]

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改訂新版 世界大百科事典 「ターキン」の意味・わかりやすい解説

ターキン
takin
Budorcas taxicolor

ジャコウウシに近縁な偶蹄目ウシ科の哺乳類。ブータン,チベット南東部から中国中部,ミャンマー北部などの山岳地帯に分布。体長120cm,尾長10cmほどで,肩高76~107cm,体重230~275kg。体はがんじょうで四肢は太く,ひづめも大きく,岩場での生活に適する。角は雌雄ともにあり,基部が太く短い。体毛は厚く,黄白色から黄褐色,黒褐色まで変異がある。標高2400mから4300mまでの高山帯に茂る灌木林に群れですみ,決まった通路を巡回しながら草や葉などを食べる。ふつう日中は茂みにいて,夕刻採食する。夏は家族群がいくつか集まって小群となり,山の高所で過ごし,冬は家族群に分かれ,谷沿いに低地に降りる。年とった雄は通常単独である。交尾期は7~8月で,200~220日の妊娠期間の後,子は3~4月に生まれる。1産1子で,子は3日もすれば母親のいくところならばたいていついていくことができる。飼育下での寿命は15年10ヵ月の記録がある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ターキン」の意味・わかりやすい解説

ターキン
Budorcas taxicolor; takin

偶蹄目ウシ科。体長 2m,体高 1.1mをこえるウシ形の動物で,ジャコウウシに最も近縁な種。雌雄ともに太い角をもつ。角は外側に向って伸び,先端は後方に曲る特異な形をしている。ブータン,ミャンマー北部,中国に分布し,夏は標高 3000mぐらいの高地に集り,冬は低地に移動する。体色は産地により異なり,背に黒い縞があるスーチョワンターキン B. t. tibetan,全身金色のゴールデンターキン B. t. bedfordiなどの亜種がある。国際保護動物に指定されている。

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小学館の図鑑NEO[新版]動物 「ターキン」の解説

ターキン
学名:Budorcas taxicolor

種名 / ターキン
科名 / ウシ科
解説 / 体の色は灰黒色、赤かっ色、金色など、亜種や個体によっていろいろです。角は短めです。
体長 / 1~2.4m/肩高68~140cm
体重 / 150~400kg
食物 / 木の葉と枝、草
分布 / 中国南西部、チベットなどの山岳地帯の森林
絶滅危惧種 / ☆

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