ダッカ事件(読み)ダッカじけん

共同通信ニュース用語解説 「ダッカ事件」の解説

ダッカ事件

1977年9月28日、日本赤軍のメンバー5人がパリ発東京行きの日航機をインド上空で乗っ取り、バングラデシュダッカ空港に着陸させた。乗客乗員151人の人質と引き換えに日本で服役、勾留中の城崎勉しろさき・つとむ容疑者ら9人の釈放身代金600万ドルを要求。福田赳夫首相(当時)は「人命地球より重い」として応じ、日本政府は超法規的措置で、出国拒否した3人を除く6人を釈放した。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダッカ事件」の意味・わかりやすい解説

ダッカ事件
ダッカじけん

1977年9月28日,日本航空パリ発東京行きの旅客機日本赤軍のメンバー 5人にハイジャックされた事件。乗客 142人,乗員 14人を乗せた旅客機はインドのボンベイムンバイ)を離陸後に乗っ取られ,バングラデシュのダッカ空港(→ダッカ)に強行着陸した。犯行メンバーは日本国内の獄中にいる過激派活動家 9人の釈放,出国および身代金 600万ドルを要求。日本政府は超法規的措置としてこれを受け入れ,10月1日犯行メンバーから指名された 9人のうち,出国を望んだ 6人と身代金を移送した。犯行メンバーは身代金や釈放された活動家らとの交換で徐々に人質を解放。その後,旅客機はクウェートシリアを経由してアルジェリアに入国し,犯行メンバーは 10月3日に人質全員を解放した。事件後,超法規的措置を発動した福田一法務大臣は引責辞任した。

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世界大百科事典(旧版)内のダッカ事件の言及

【ハイジャック】より

…73年7月には,日航機がアムステルダム空港離陸後に,5人のパレスティナ・ゲリラにハイジャックされ,ドバイ空港経由でリビアのベンガジ空港に着陸し,犯人たちは乗客,乗員全員を解放後,機体を爆破し,逮捕された(ドバイ事件)。また77年9月には,日航機がボンベイ離陸後,日本赤軍を名のる5人にハイジャックされ,バングラデシュのダッカに強制着陸させられ,日本で服役中の仲間6人と600万ドルを奪って,アルジェリアに逃亡した(ダッカ事件)。このような事件に対抗するために各国政府,各航空会社は予防対策をたて,乗客を空港でチェックするなどして,事件を未然に防ぐ努力をしている。…

※「ダッカ事件」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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