イタリア,ローマの北西約45kmにある古代都市。エトルリア12都市同盟の一つ。古代名カエレCaere。ヘロドトスはテッサリア人が建設したと記しているが,考古学資料によれば前8世紀エトルリア人によって造られたとされる。海上貿易によって栄えた都市で,その最盛期は前6世紀である。貿易立国であったため時代によってカルタゴ,タルクイニア,ローマと同盟関係にあったが,前293年もしくは前273年ローマに征服され,ローマ帝政時代には単なる集落に帰した。エトルリア時代の都市はマンガネロ谷とモーラ谷にはさまれた丘陵にあり,前4世紀の城壁が一部のこる。城壁内からはビラノーバ時代(前9~前8世紀)の墓が発見されている。前8世紀以降,多くの墓が城壁外に造られ,前7世紀からは擬似ボールトを使用した〈レゴリーニ・ガラッシの墓〉などが現れる。前6世紀から前5世紀にかけて,墳墓は直径30mに及ぶものも出現し,墓室の装飾も浮彫や壁画によってより豪華となる。〈船の墓〉〈描かれた動物の墓〉〈盾と椅子の墓〉が代表例である。前4世紀の墓としては〈浮彫の墓〉などがある。これらの墓は当時の貴族の住宅と生活を模しており,青銅器,貴金属器,塑像,ギリシア陶器,象牙細工など多くの副葬品はエトルリア美術と他の古代美術との影響関係をよく示している。それらはバチカン美術館,ビラ・ジュリア美術館に収蔵されている。
執筆者:青柳 正規
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…スフィンクス,グリフォンなどの動物文,ロータス文,ロゼット文などの植物文にこの時代の東方的要素を見ることができる。この時代は,鉱物資源の開発やギリシアおよび東方との貿易によって経済基盤の確立した時代でもあり,ベイオ(ウェイイ),タルクイニア,チェルベテリ,それにブルチVulciなどの都市が発展し,豊かな副葬品を伴う墓(カンパーナの墓,レゴリーニ・ガラッシの墓など)が数多く造られた。またローマを中継地とする〈塩の道〉によって南イタリアのギリシア美術とも直接的な接触をもち,前7世紀後半から,コリント式陶器を模した陶器も製作されるようになった。…
…南イタリアや北アフリカからの出土は,エトルリア人との交易活動を証明している。主たる製作地はタルクイニア,ブルチ,チェルベテリなどである。【青柳 正規】。…
※「チェルベテリ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
[1973~ ]プロ野球選手。愛知の生まれ。本名、鈴木一朗。平成3年(1991)オリックスに入団。平成6年(1994)、当時のプロ野球新記録となる1シーズン210安打を放ち首位打者となる。平成13年(...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新