ティファニー(読み)てぃふぁにー(英語表記)Louis Comfort Tiffany

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ティファニー」の意味・わかりやすい解説

ティファニー
てぃふぁにー
Louis Comfort Tiffany
(1848―1933)

アメリカの工芸家。有名な宝石店ティファニー商会の創立者チャールズ・L・ティファニーCharles Lewis T.(1812―1902)の子としてニューヨークに生まれる。当初画家を志してフランスなどヨーロッパ各地を旅行したが、1870年代末から工芸に対する関心を深め、陶磁、金工、宝飾、家具、インテリア、染織などさまざまな分野で活躍した。なかでもアール・ヌーボーのガラス工芸は有名で、自ら「ファブリール・グラス」と名づけた柔らかな虹色(にじいろ)の光沢のあるガラスでつくった花器ランプシェードは、ティファニー・グラスとして広く知られている。また、ボナールビュイヤールロートレックのデザインによるステンドグラスの制作も手がけた。

[谷田博行]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ティファニー」の意味・わかりやすい解説

ティファニー
Tiffany, Louis Comfort

[生]1848.2.18. ニューヨーク
[没]1933.1.17. ニューヨーク
アメリカの工芸家,装飾美術会社ティファニー・スタジオの設立者。 C.ティファニーの息子。 1890~1915年ティファニー・スタジオを設立し,室内装飾をはじめガラス,金工,染織,陶磁,その他で広範な活動を展開。主要作品にホワイトハウスのレセプションルームの室内装飾のほか,アメリカの教会のステンドグラスに傑作が多い。父と同様,レジオン・ドヌール勲章を受け,またパリ国立美術協会会員,日本の帝国美術院名誉会員になった。

ティファニー
Tiffany, Charles Lewis

[生]1812.2.15. キリングリー
[没]1902.2.18. ニューヨーク
アメリカの宝石業者。 L.ティファニーの父。 1837年にニューヨークで小間物屋を開き,かたわら宝石加工を始めたが,51年イギリス銀本位制を採用し評価を得て,53年ティファニー商会に発展させた。南北戦争当時は剣やメダルを製作。 68年にジュネーブロンドン支店を開き,78年にレジオン・ドヌール勲章を授与された。 87年にはフランス宮廷に伝わる宝石類を買上げるなど,歴史的な宝石類や芸術品の購入で知られた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

お手玉

世界各地で古くから行われている遊戯の一つ。日本では,小豆,米,じゅず玉などを小袋に詰め,5~7個の袋を組として,これらを連続して空中に投げ上げ,落さないように両手または片手で取りさばき,投げ玉の数や継...

お手玉の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android