染織(読み)センショク

デジタル大辞泉 「染織」の意味・読み・例文・類語

せん‐しょく【染織】

布を染めることと織ること。染め物と織り物。

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精選版 日本国語大辞典 「染織」の意味・読み・例文・類語

せん‐しょく【染織】

  1. 〘 名詞 〙 布を染めることと織ること。
    1. [初出の実例]「染織の色彩や図案に対しては多少の興味がある」(出典:丸善と三越(1920)〈寺田寅彦〉)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「染織」の意味・わかりやすい解説

染織
せんしょく

染物織物との合成した用語である。これを逆にして織染とすることがあるが、これは中国の官司制のなかに織染(しょくせん)局という部局が存在したことによるが、明治以後は、この用語はあまり使用されることなく、染織とすることが多くなった。ただ織物のなかに「染色」を含めること、あるいは染色のなかに「織物」を含めることがあり、これらはどちらに重点を置くか、染作家・織作家などの区分により異なっていることがある。また東洋の染織では編物の分野を欠いているので、繊維でつくられた「繊維工芸」とするよりも範囲が狭く、正確にはテキスタイルtextileの訳語とすることは不適当である。その繊維からの加工工程からみると、織物として完成された段階までのものをさし、裁断縫製(ほうせい)を経て着用性をもたせた服飾としての完成した段階までを含めないのが普通である。つまり織物としての中間製品の段階までのものをさし、白生地を除いて、「染」と「織」のいずれにも重点が置かれることなく、両技法が融合して表現されることになる。

[角山幸洋]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「染織」の意味・わかりやすい解説

染織
せんしょく

英語のテキスタイル textileの訳語で,布を染めることと織ること,また,その製品 (編んだ物,組んだ物を含む) をいう。染めの技術には捺染浸染およびその折衷式のものから,絞りや臈纈 (ろうけち) などのように手工芸的なものもある。繊維,染料の多様化に伴って,機械化された大規模な工業生産が行われる一方,手工芸的なものもなおかなり生産されている。

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世界大百科事典(旧版)内の染織の言及

【製織】より

…最近では不織布,編物も含めて繊維あるいは糸で布状のものを作ることを製布と呼び,織物を作ることを製織というようになった。また染色を含めて染織,紡績を含めて紡織という場合もある。織物は織物設計,製織準備工程を経て織機で作られる(図1,図2)。…

※「染織」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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