銀本位制(読み)ぎんほんいせい(その他表記)silver standard system

山川 日本史小辞典 改訂新版 「銀本位制」の解説

銀本位制
ぎんほんいせい

銀を本位貨幣とする貨幣制度。1881年(明治14)10月松方正義の大蔵卿就任とともに,明治初年以来の不換紙幣の整理事業が開始され,銀貨紙幣価格差も急速に消滅した。これを背景に85年5月9日にはじめて日本銀行から10円の兌換銀行券が銀準備で発行され,翌年1月から政府紙幣も漸次に銀貨と兌換されることとなり,銀本位制が確立した。しかし当時,法制上は金銀ともに正貨とされていた。ここでの銀本位制は,(1)正貨準備が主として銀であったこと,(2)東洋諸国との貿易上銀貨決済が便利であったこと,による貨幣制度整備上の経過的なものとみなされる。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

旺文社世界史事典 三訂版 「銀本位制」の解説

銀本位制
ぎんほんいせい
silver standard system

貨幣単位を一定量の銀と等価関係におくように組織した貨幣制度
本位貨幣が銀であること以外金本位制と変わらない。歴史は銀本位制のほうが古く,アジア諸国では,ヨーロッパ金銀複本位制から金本位制に移行したあともこの制度を保った。しかし,銀の価格は変動が大きく,金銀比価影響を与えるために金本位制を採用し,銀貨は補助貨幣となった。

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