デジタル・デバイド(読み)でじたるでばいど(英語表記)digital divide

翻訳|digital divide

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「デジタル・デバイド」の意味・わかりやすい解説

デジタル・デバイド
digital divide

個人のコンピュータリテラシーの差により生じる格差情報格差ともいう。コンピュータインターネットなどに対する習熟度や活用度の違いによって,得られる情報の量や質に差が生じる。その結果,実生活においても格差が発生し,たとえば求人情報を得られる人と得られない人,行政サービスを受けられる人と受けられない人がでてくる。こういった格差は,年齢や居住地域の違いばかりでなく,個人の経済状況や教育水準など,さまざまな要因によって生まれる。情報社会利便性を社会全体に行き渡らせるためには,こうした格差を解消することが必要とされる。世界中で格差が広がり,その解消が国家的な課題となっている。多くの国では,インターネットや携帯電話の利用状況を調査しながら,通信設備の整備に補助金を出したり,低所得者が通信サービスを利用する際に割引を適用したり,コンピュータの教習を実施するなどしている。(→情報化

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「デジタル・デバイド」の意味・わかりやすい解説

デジタルデバイド
でじたるでばいど
digital divide

IT(情報技術)を利用できる層とできない層との間で生じる格差のこと。デバイドは「分割する」「分裂する」などの意。デジタル格差

 パソコンやインターネットなどの情報技術を使いこなすことで、情報の入手量や質が格段に向上する。一方、使いこなせない人との間に情報格差を生み、それが機会や待遇の差、最終的には貧富の格差にまでつながるという考え方。個人間の格差のほかに、地域間、国家間での格差を意味する場合もある。具体的には、若者や高所得者などがITを活用することで雇用機会や高収入を得られる可能性が高まる一方で、高齢者や低所得者といったITを利用できない、あるいは利用するチャンスがない層が取り残されていく状態である。地域や国家間の場合は、インフラストラクチャー整備などの遅れから情報技術を活用できないまま立ち後れてしまう状況をさす。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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