デミング賞(読み)デミングショウ

デジタル大辞泉 「デミング賞」の意味・読み・例文・類語

デミング‐しょう〔‐シヤウ〕【デミング賞】

《〈和〉Deming Prize》日本で工業製品の品質管理功績のあった企業個人に与えられる賞。第二次大戦後、日本で品質管理の指導を行った米国の品質管理の専門家デミング博士の功績をたたえ、昭和26年(1951)設けられた。

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精選版 日本国語大辞典 「デミング賞」の意味・読み・例文・類語

デミング‐しょう‥シャウ【デミング賞】

  1. 〘 名詞 〙 ( デミングはDeming ) 日本で、毎年その年に工業製品の品質管理が優秀な企業、品質管理に功績のあった個人に与えられる賞。アメリカの統計学者デミングが日本工業の品質管理向上に残した功績を記念して、昭和二六年(一九五一)創設された。

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改訂新版 世界大百科事典 「デミング賞」の意味・わかりやすい解説

デミング賞 (デミングしょう)

日本で品質管理を組織的に啓蒙普及するのに貢献したアメリカの統計学者デミングWilliam Edwards Deming(1900-93)を記念して設けられた品質管理に関する賞。デミングの著書の日本語訳の印税などを基金に,1951年に設立された。日本の品質管理の研究および普及に顕著な功績のあった個人に与えられる本賞と,品質管理の応用によって業績を向上させることに成功した企業に与えられる実施賞とがある。日本経済は第2次大戦後間もないころの“made in Japan”という粗悪品の代名詞をそののち優秀品のそれに置きかえることに成功したが,この背景には品質管理の発展があり,デミング賞の名もよく知られるようになった。

 デミングはアメリカのアイオワ州に生まれ,ワイオミング大学を卒業後,同大学の講師,農務省技師,連邦標準局講師,ニューヨーク大学教授などを歴任した。アメリカにおける初期の品質管理の啓蒙に貢献したほか,サンプリング理論の権威者としても知られている。戦後たびたび来日し,50年ころより品質管理の啓蒙活動を行う。この功績に対し,60年に勲二等が授与された。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「デミング賞」の意味・わかりやすい解説

デミング賞
でみんぐしょう
Deming prize

アメリカの統計学者デミングが日本産業の品質管理向上に残した功績を記念して、1951年(昭和26)に日本科学技術連盟(日科技連)によって制定された賞。品質管理に関する実務や理論に貢献した個人、および品質管理の水準がきわめて高く社会への貢献度の大きな企業に対し、毎年1回与えられる。デミングは1950年に来日し、統計的品質管理を日本に紹介した。

[森本三男]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「デミング賞」の意味・わかりやすい解説

デミング賞
デミングしょう

日本工業界の品質管理の発展に貢献したアメリカの W.E.デミングの功績を記念して,日本科学技術連盟が設定した賞。品質管理の理論や普及,実践成果をあげた個人,企業に贈るもので,1951年以来毎年1回選考委員会により選ばれている。

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