トウアズキ(読み)とうあずき(英語表記)jequirity

日本大百科全書(ニッポニカ) 「トウアズキ」の意味・わかりやすい解説

トウアズキ
とうあずき / 唐赤小豆
jequirity
Indian liquorice
[学] Abrus precatorius L.

マメ科(APG分類:マメ科)のつる性低木。アフリカ原産ではあるが、古くから熱帯各地で野生化している。葉は互生し、長さ6~7センチメートルの偶数羽状複葉となるが、小葉は7~20対で光や日照に敏感に反応する。蝶形花(ちょうけいか)は小さな淡紅紫色で、総状花序をなして葉腋(ようえき)に生じ、豆果(とうか)は長さ3センチメートルで太い。種子はアズキ大(長径5~7ミリメートル、短径4~5ミリメートル)で鮮紅色となるが、一端に大きな黒眼があり、これが全表面の4分の1から3分の1を占める。この美しさからネックレスやビーズ細工に使用される。しかし、種子には猛毒のアブリンablin(有毒アルブミン)が含まれている。

[長沢元夫 2019年10月18日]

薬用

トウアズキを漢名では相思子(そうしし)といい、中国では催吐、去痰(きょたん)、駆虫剤として使用する。葉と根には毒性がなく、カンゾウ(甘草)と同じようにグリチリジンという成分を含有するので、鎮痛、清熱、利尿剤として咽(いん)痛、腹痛気管支炎肝炎の治療に用いる。

[長沢元夫 2019年10月18日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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