日本大百科全書(ニッポニカ) 「トウヒレン」の意味・わかりやすい解説
トウヒレン
とうひれん / 唐飛廉
[学] Saussurea
キク科(APG分類:キク科)の二年草または多年草。北半球の温帯に約400種あり、わけてもアジアの山岳地に大部分の種が分布する。日本には二十数種知られるが、一般にはアザミ属Cirsiumと外形が似るため、和名にはミヤコアザミ、キクアザミ、シラネアザミのようにアザミの名をもつものが多い。葉や茎の刺(とげ)がアザミのように鋭くなく、花糸が無毛で、花柱分枝が大きく開くなどの点でアザミ属とは、はっきり異なる。葉は羽状に浅裂または深裂するものが多く、ホクチアザミでは下面に白い綿毛を密生する。頭花は小形で、普通は散房状花序に配列する。総包葉は球形、鐘形、筒形で、多数の総包片が瓦(かわら)状に重なる。先端は小突起となるものが多いが、ヒメヒゴタイには花弁様の付属体がある。
[小山博滋 2022年3月23日]