日本大百科全書(ニッポニカ) 「トゥリーナ」の意味・わかりやすい解説
トゥリーナ
とぅりーな
Joaquín Turina
(1882―1949)
スペインの作曲家。生地セビーリャ、ついでマドリードで音楽教育を受けたのち、パリに留学(1905~14)、ピアノをモシュコフスキーに、作曲をスコラ・カントルムでダンディに師事。パリ滞在中には、アルベニス、ファリャ、ドビュッシー、ラベル、デュカース、フロラン・シュミットらと親交を深め、影響を受ける。帰国後は、指揮者、ピアニスト、教育者としても活躍。ファリャに次ぐ20世紀スペイン民族楽派の作曲家として、アンダルシアの民俗音楽と近代フランス音楽の技法とを融合した、民族色豊かな作風を確立した。マドリードに没。代表作に、交響詩『ロシーオ祭の行列』(1912)、『セビーリャ交響曲』(1920)、ソプラノと管弦楽のための『セビーリャに寄せる歌』(1927)などがある。
[寺田兼文]