アルベニス

デジタル大辞泉 「アルベニス」の意味・読み・例文・類語

アルベニス(Isaac Manuel Francisco Albéniz)

[1860~1909]スペイン作曲家・ピアニスト。19世紀から興ったスペイン音楽民族主義運動の代表者。ピアノ組曲イベリア」など。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「アルベニス」の意味・読み・例文・類語

アルベニス

  1. ( Isaac Albéniz イサク━ ) スペインの作曲家、ピアニスト。グラナドスと共に、近代スペイン音楽の創始者といわれる。(一八六〇‐一九〇九

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「アルベニス」の意味・わかりやすい解説

アルベニス

スペインの作曲家,ピアノ奏者。カタルーニャ地方のカンプロドンに生まれ,幼時からピアノに並外れた才能を発揮,9歳でマドリード音楽院に入学した。12歳で単身南アメリカに渡り,南北アメリカとヨーロッパを楽旅。神童として名を広める。ライプチヒブリュッセルの音楽院で学んだのち1883年バルセロナペドレル師事。1885年マドリードに居を定め,中期の代表作となった2つのピアノ曲《スペイン組曲》(1886年―1896年ころ),組曲《スペインの歌》(1895年―1896年ころ)を作曲。ロンドンでの活動を経て1894年からパリに住み,フォーレダンディショーソンデュカースドビュッシーらと交流。スコラ・カントルムではピアノ教師としてセブラックらを教える。ショーソンの《詩曲》出版に尽力し,スペインの後輩トゥリーナの作品出版に助力するなど,楽壇で人望を集めた。最晩年心血を注いだ《イベリア》全12曲(1906年―1909年)は近代ピアノ音楽の傑作として知られ,その独創性はドビュッシー,のちにはメシアンを賛嘆させた。→ファリャ
→関連項目印象主義ホタラローチャ

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

改訂新版 世界大百科事典 「アルベニス」の意味・わかりやすい解説

アルベニス
Isaac Manuel Francisco Albéniz
生没年:1860-1909

スペインの作曲家,ピアニスト。民族主義楽派の確立者として重んじられる。カタルニャ地方のカンプロドンに税官吏の子として生まれ,早くからピアノ演奏に才能を現した。4歳のときバルセロナで公開演奏を行い,9歳でマドリード王立音楽院に入ったが,生来のいたずら好きと冒険心のため幾度も寮から脱走し,スペイン各地でリサイタルを開いた。12歳のとき単身南アメリカにわたる。1876年ライプチヒ,77-80年ブリュッセルの音楽院で学び,85年からマドリードに住み,ピアノ演奏のかたわら本格的な作曲活動に入った。90-93年にはイギリスでの生活が多かったが,94年暮れごろからパリを本拠とした。晩年は病気がちとなり作曲に専念,南フランスの保養地カンボ・レ・バンで49歳の生涯を終えた。作品はオペラ《ペピータ・ヒメネス》(1896),管弦楽曲《カタロニア》(1899)などもあるが,おおむねピアノ曲で,スペインの民俗音楽を素材にした独創的な楽曲が多い。中期までの比較的簡明な作品では《スペイン組曲》(1886-96ころ),組曲《スペインの歌》(1895-96ころ)がよく知られ,後期の複雑で高度な作品では《イベリア》全12曲(1906-09)がピアノ音楽史上画期的な名作とされている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アルベニス」の意味・わかりやすい解説

アルベニス
あるべにす
Isaac (Manuel Francisco) Albeniz
(1860―1909)

スペインの作曲家、ピアノ奏者。カタルーニャ地方に生まれる。4歳でデビューしたといわれるほどの神童で、6歳のときにパリでマルモンテルに師事、8歳から演奏旅行を始めた。しかし冒険を好み、12歳のときには1人で中南米に密航するなど放浪の一生を送ったためか腎臓(じんぞう)病に苦しめられ、スペイン国境に近いフランスのピレネー地方で49歳の生涯を終えた。彼の演奏技巧の完成には1880年のリストとの出会いによるところが大きいが、もう一つの転機はその3年後、バルセロナに居を構えたときに訪れる。演奏よりも作曲活動を優先させ、故国の音楽を素材とした作品を書き始めたのである。1893年、ロンドンからパリへ活躍の舞台を移し、ダンディ、デュカスらと交際、ドビュッシーやラベルなどのフランス近代音楽に強い影響を与えた。彼の本領はサルスエラ(スペインの歌劇)や歌曲よりもピアノ曲にあり、代表作に『スペイン組曲』(1886)、『旅の思い出』(1887)、『イベリア組曲』全4巻(1906~1908)がある。とくに『イベリア』は高度な演奏技巧、ギターやカスタネットの模倣など大胆な効果を駆使した傑作で、F・アルボースの管弦楽編曲でも有名。

[関根敏子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アルベニス」の意味・わかりやすい解説

アルベニス
Albéniz, Isaac (Manuel Francisco)

[生]1860.5.29. カタルニャ,カンプロドン
[没]1909.5.18. ピレネー,カンボ
スペインのピアニスト,作曲家。幼少から非凡な楽才を示し,4歳で公開のピアノ演奏を行い,7歳でマドリード音楽院に学ぶ。 1874年ライプチヒ音楽院でヤダスゾーン,C.ライネッケに師事。さらにブリュッセル音楽院を卒業,78年ブダペストで念願のリストに師事。その後 A.ルビンシテインと欧米を演奏旅行し,国際的に名声を博す。きわめて多作な作曲家で,特にピアノ作品では,スペインの国民音楽の指導者とされる F.ペドレルの影響を受けて,故国の民族音楽の形式と精神を基礎としたすぐれた曲を残している。ピアノ曲『スペインの歌』『イベリア』ほか多数。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者) 「アルベニス」の解説

アルベニス

イサーク・アルベニスは、スペイン近代民族主義楽派の旗手となって活躍した作曲家で、天才的なピアニストだった。1860年5月29日、スペイン北東部カタルーニャ地方に生まれる。1868年~1871年にマド ...続き

出典 (社)全日本ピアノ指導者協会ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者)について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android