ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説
トゥールーズ=ロートレック
Toulouse-Lautrec, Henri de
[没]1901.9.9. マルロメ
フランスの画家。本名 Henri-Marie-Raymonde de Toulouse-Lautrec-Monfa。トゥールーズの名門に生まれ,幼時から絵を描いたが,15歳のときに両足を骨折し足が不自由になった。1882年にパリに出て,ルネ・プランストーやフェルナン・コルモンに師事。フィンセント・ウィレム・ファン・ゴッホやエドガー・ドガを知り,日本の浮世絵の影響を受けた。1886年からモンマルトルに定住。キャバレー,ミュージック・ホール,寄席,サーカス,娼家などに出入りして,鋭い観察と辛辣な機知によって人物を油彩や素描で描写し,アンデパンダン展に出品。1891年にはムーラン・ルージュの最初のポスターを制作した。その後ブリュッセル,ロンドン,スペインなどを旅行。晩年はリトグラフの作品を 300以上も制作。過度の飲酒のため 1898年頃から健康を害し,療養所で記憶を頼りにサーカスの情景などをパステルで描き続けた。生地アルビにトゥールーズ=ロートレック美術館がある。主要作品『ムーラン・ルージュにて』(1893~95,シカゴ美術館),『踊るジャヌ・アブリル』(1892,オルセー美術館),『フォリー・ベルジェール劇場のロイ・フラー』(1893)。
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