日本大百科全書(ニッポニカ) 「トチバニンジン」の意味・わかりやすい解説
トチバニンジン
とちばにんじん / 栃葉人参
[学] Panax japonicus C.A.Mey.
ウコギ科(APG分類:ウコギ科)の多年草。地下茎は太く、横にはって結節があり、細い根を出す。茎は直立し、高さ50~80センチメートル、毛はなく、基部は膜室の鱗片(りんぺん)で包まれる。葉は5~7小葉からなる掌状複葉で長柄があり、茎の中ほどに輪生状につく。小葉は、質は薄く、倒披針(とうひしん)形で先は鋭くとがり、不ぞろいの鋸歯(きょし)がある。6~8月、茎頂から1本の長い花序軸を出し、その先に多数の淡黄緑色花を散形花序につける。果実は球形、径約6ミリメートルで、赤く熟す。山地の樹陰に生え、北海道から九州に分布。中国にもみられる。名は、葉がトチノキに似ることによる。
[小林純子 2021年11月17日]