トリニダードとロス-インヘニオス渓谷(読み)トリニダードとロスインヘニオスけいこく

世界遺産詳解 の解説

トリニダードとロスインヘニオスけいこく【トリニダードとロス-インヘニオス渓谷】

1988年に登録されたキューバの世界遺産(文化遺産)。トリニダードは、首都ハバナ南東、ディエゴ・ベラスケス・デ・クエリャル(キューバ征服を指揮し、初代キューバ総督に就任したスペイン人)が1514年に建設した都市。この町は、18世紀末になって、サトウキビプランテーションによる砂糖生産で大きく発展し、その繁栄は19世紀後半まで続いた。こうしたことから、サトウキビ農園主などの屋敷、サンティシマ・トリニダード大聖堂、ラ・ポパ聖堂など、その繁栄を象徴するスペイン植民地時代の遺構が多数残されている。一方、トリニダード市街の北西ロス・インヘニオス渓谷がある。ここにはトリニダードの町の繁栄を支えた56の砂糖工場があり、その労働力として苦難を強いられたアフリカの黒人奴隷を監視するために建てられたイスナーガの塔が残っている。◇英名はTrinidad and the Valley de los Ingenios

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

百科事典マイペディア の解説

トリニダードとロス・インヘニオス渓谷【トリニダードとロスインヘニオスけいこく】

キューバの中南部にある都市と渓谷。トリニダードは16世紀に入植が始まったスペインの植民都市で,砂糖やタバコ交易奴隷取引の拠点として発展した。砂糖で得た富によって建てた壮大な豪邸や聖堂の古い町並みを見ることができる。ロス・インヘニオスは砂糖の谷ともよばれ,砂糖生産の中心地でアフリカ人奴隷が働かされ,奴隷を監視するための塔や製糖工場跡が残っている。1988年世界文化遺産に登録。

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