トレニョフ(その他表記)Trenëv, Konstantin Andreevich

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トレニョフ」の意味・わかりやすい解説

トレニョフ
Trenëv, Konstantin Andreevich

[生]1878.6.2. ハリコフ
[没]1945.5.19. モスクワ
ソ連劇作家,小説家。ペテルブルグの考古学専門学校と神学校を卒業。在学中から農民生活を主題とする短編を多数書いたが,本領戯曲にあり,十月革命後,戯曲『プガチョーフ』 Pugachëvshchina (1924) と『リュボーフィ・ヤロワーヤ』 Lyubov' Yarovaya (26) を書いた。ほかに『妻』 Zhena (28) ,『ネバ河の岸辺にて』 Na beregu Nevy (37) などの戯曲が有名。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「トレニョフ」の意味・わかりやすい解説

トレニョフ
とれにょふ
Константин Андреевич Тренёв/Konstantin Andreevich Trenyov
(1878―1945)

ロシア・ソ連の小説家、劇作家。ウクライナの農奴出身の貧農の家に生まれる。ペテルブルグで考古学専門学校を、1903年には神学校をも卒業。ウクライナで新聞編集者、教師を勤める。1898年文筆活動に入り、農民の暗い生活に取材した短編を書いていたが、革命後は劇作に才能発揮。革命と内乱様相を、鋭く対立する人間の悲劇を通して描いた戯曲『リューボーフィ・ヤロワーヤ』(1926)が代表作で、ソ連演劇古典の一つとなっている。

[柳 富子]

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