日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドイツ人民党」の意味・わかりやすい解説
ドイツ人民党
どいつじんみんとう
Deutsche Volkspartei ドイツ語
ドイツの政党。同名の二つがある。(1)ドイツ第二帝政期の政党。南ドイツ、とくにウュルテンベルクを中心に「一八四八年の革命」の民主主義者の系列につながる勢力が1868年、結成した。普通選挙、団結権などを要求し、第二帝政におけるプロイセンの優位や軍国主義に反対の態度をとった。勢力的には小政党にとどまり、1910年進歩党の後身と合同した。(2)ワイマール共和国のブルジョア政党。1918年12月、シュトレーゼマンの指導の下に、帝政期の国民自由党を主体に創設された。ドイツ経済界の意向をもっとも強く反映させる党で、私経済の維持、ドイツ経済の強化を通してのドイツの大国化を目標とする。20年に政府に参加、22年から31年まで一貫して与党であったが、シュトレーゼマンの意向に反して、28年以後は共和制への批判的態度を強めた。30年からは党は急速に衰え、政治的影響力を失った。
[木村靖二]