ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドル外交」の意味・わかりやすい解説
ドル外交
ドルがいこう
Dollar Diplomacy
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本来、「弾丸のかわりにドルを用い」て、アメリカの海外における政治的、経済的利害を増進することを目ざしたタフト政権(1909~13)の外交を特徴づける用語であったが、広義にはアメリカ帝国主義外交をさす。タフト政府が発足するや、新任のノックス国務長官は、ハンチントン・ウィルソンら国務省官僚の助言で国務省機構改革を断行し、グローバルな通商拡張政策を展開した。中国では、アメリカ銀行団、国務省、ストレイトWillard D. Straight(1880―1918)の三者の合作により門戸開放のための「ドル外交」を推進。満州鉄道借款、湖広鉄道借款などをめぐり列強と協調あるいは抗争した。ノックスの満州鉄道中立化案、対華六国借款団参加もその一環である。また戦略的に重要なカリブ海地域を制するため、ドミニカ、ニカラグア、ハイチの金融的保護国化を画策し、中近東でも、トルコやペルシアで緒についたアメリカ資本進出を積極的に支援した。
[高橋 章]
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