ドンナー(読み)どんなー(英語表記)Georg Raphael Donner

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドンナー」の意味・わかりやすい解説

ドンナー
どんなー
Georg Raphael Donner
(1693―1741)

オーストリア彫刻家。エスリンゲン生まれ。ウィーンで修業したのち、1714~15年ごろイタリアへ旅行する。20年代はザルツブルクの造幣局で鋳貨の仕事に携わり、28年にプレスブルクに招かれて38年まで同地の聖堂や祭壇制作に従事する。この間に制作した『聖マルティン像』(1732)、およびウィーンに帰ってからのノイマルクト広場の泉水(1739)は代表作として知られる。作品には明晰(めいせき)な構造化への意図が認められ、この点で彼はバロック様式に対立する冷静な古典主義先駆者と評価されている。ウィーンに没。

[野村太郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドンナー」の意味・わかりやすい解説

ドンナー
Donner, Georg Raphael

[生]1693.5.24. エスリンゲン
[没]1741.2.15. ウィーン
オーストリアの彫刻家。 1706年頃ウィーンに出てウィーン・アカデミーに学び,15年頃イタリアを旅行しミケランジェロの作品から影響を受けた。 25~28年ザルツブルク,28~38年プレスブルク (ブラチスラバ) ,39年以後ウィーンで制作。作風はバロック風であるが古典主義的要素も取入れている。代表作『聖マルティンの群像』 (1732,プレスブルク大聖堂) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

春闘

春の時期に労働組合が一斉に賃上げ、労働条件の改善に関する交渉を行なうこと。欧米では、産業別に強力な労働組合が存在し、それらが労働条件改善への闘争を繰り広げて成果を得てきた。だが、日本では企業ごとに労働...

春闘の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android