ならがしわ

精選版 日本国語大辞典 「ならがしわ」の意味・読み・例文・類語

なら‐がしわ‥がしは柏】

  1. 〘 名詞 〙 ブナ科の落葉高木。枝はやや太く無毛。本州北陸地方および近畿地方以西、四国、九州の山地に生える。葉は長さ一〇~三〇センチメートルの倒卵状楕円形、縁にはまばらに波状の牙歯があり、側脈は一〇~一五個。葉の裏には灰白色の短い星状毛を密生雌雄同株。春、長さ一〇センチメートルぐらいの尾状花穂をたれる。果実は長さ二センチメートルぐらいの楕円体で下部は椀状の殻斗(かくと)に包まれている。材は薪炭樹皮は染料用。ならの柏木

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ならがしわ」の意味・わかりやすい解説

ナラガシワ
ならがしわ / 楢柏
[学] Quercus aliena Bl.

ブナ科(APG分類:ブナ科)の落葉高木。樹皮は厚く、不規則な裂け目がある。葉は長さ10~25センチメートルで日本産ブナ科では最大である。葉柄は1~3センチメートル。縁(へり)は大形の波状鋸歯(きょし)があり、下面は灰白色の星状毛を密生する。柏餅(かしわもち)に用いるカシワの葉は本種のものである。堅果ミズナラに似るが、微毛が一面に生え、殻斗(かくと)の三角状の小鱗片(りんぺん)が明瞭(めいりょう)である。中部地方以西の本州の里山にみられ、朝鮮半島、中国、インドシナからヒマラヤまで分布する。

[萩原信介 2020年1月21日]

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