ナーシーフアルヤージジー(その他表記)Nāṣīf al-Yāzijī

改訂新版 世界大百科事典 の解説

ナーシーフ・アルヤージジー
Nāṣīf al-Yāzijī
生没年:1800-71

レバノンが生んだ人文主義的なアラブ民族主義の第1世代を代表するキリスト教徒コーランアラビア語よりは,民謡説話野史言語の中に民族がもつ不可侵の価値があることを主張して,宗教政治根底に据える立場から抜け出て,異なる宗教人口に共通な文化的紐帯としての言語(アラビア語)による統合を訴えた。アラビア語の各種定期刊行物出版の先鞭をつけた。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ナーシーフ・アル・ヤージジー
Nāsīf ibn `Abd Allāh al-Yāzijī

[生]1800. ベイルート近郊クフルシーマー
[没]1871. ベイルート
近代アラブの文学者。マロン派クリスチャン生涯をアラブ古典文学の復興に捧げた。 1840年まではレバノンを支配していたシハーブ家のバシール2世書記を勤めていたが,バシールが左遷されてからはベイルートで著作と教授に専念した。アメリカの宣教師たちと交わり聖書のアラビア語翻訳に協力。アラビア語の文法,論理学,修辞学,詩学,医学,歴史などについての書を著わした。 47年「文芸・学術協会」のメンバーとなり,アラブ古典文学の復興こそアラブ救済の道であると説いた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android