食の医学館 「ニガウリ」の解説
ニガウリ
《栄養と働き》
ウリ科の1年草で、熱帯アジア原産。沖縄の特産品として知られています。表面にゴツゴツとしたイボがあるのが特徴です。
古くから薬用植物として中国やインド、アラビア地方では珍重されていたといいます。
沖縄ではゴーヤと呼ばれて、夏の食卓に欠かせない食材の1つとなっています。
〈すぐれた血糖降下作用で、糖尿病予防にも効果的〉
○栄養成分としての働き
ニガウリには独特のにがみがあります。このにがみ成分は、ククルビタシンなどのフラボノイド系の成分で、活性酸素の生成を抑制する抗酸化物質です。また、毛細血管を丈夫にして血液循環をよくするので、動脈硬化予防に役立ちます。ストレス解消やストレス性の胃潰瘍(いかいよう)、十二指腸潰瘍(じゅうにしちょうかいよう)の予防にも効果が期待できます。
ビタミンCも、キャベツの2倍近く多く、疲労回復や夏バテにも有効です。
そして最近になって注目されているのは、糖尿病への効用です。
ニガウリの種子にはインスリンと同様の働きをするインスリン様物質が含まれていることが認められています。
こんな実験が行われています。血糖値を高くしたネズミにニガウリのエキスを投与したところ、血糖降下作用が確認されたというのです。
《調理のポイント》
洗って塩をふって板ずりし、薄切りにして使います。
食べ方としては、外側を軽くあぶって、かつおぶしとしょうゆをかけると、酒のつまみにピッタリです。
沖縄では豚肉、とうふといっしょに炒(いた)めた「ゴーヤチャンプル」が代表的な料理です。
これは非常に理想的なメニューです。ニガウリのもつビタミンC、カロテンやカリウム、食物繊維といった栄養成分に、良質な動物性たんぱくが含まれている豚肉、良質な植物性たんぱくであるとうふが加わり、さらに油で炒めることでビタミンEもプラスされ、栄養を効率よくとることができるからです。