ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニコラウス4世」の意味・わかりやすい解説
ニコラウス4世
ニコラウスよんせい
Nicolaus IV
[没]1292.4.4. ローマ
アスコリピチェノ近郊出身の第191代教皇(在位 1288~92)。本名 Girolamo Masci。フランシスコ修道会出身の初の教皇。フランシスコ修道会総会長(1274~79)を務め,1281年にパレストリーナの司教枢機卿(→カーディナル)に叙任された。ホノリウス4世の死後 10ヵ月の空位ののち,1228年2月教皇に選出された。枢機卿団に教皇庁の収入の半分を与え,教会内での枢機卿の地位を高めた。南イタリア,シチリアの政情安定に尽力。聖地におけるイスラム勢力に対抗するためモンゴル帝国との同盟を企図し,宣教師のモンテ・コルビーノらをフビライ・ハンの宮廷に派遣するなど,中国布教の第一歩をしるした。また,サン・ジョバンニ・イン・ラテラノ大聖堂やサンタ・マリア・マジョーレ聖堂を改修した。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報