ニトリロ三酢酸(読み)にとりろさんさくさん(英語表記)nitrilotriacetic acid

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニトリロ三酢酸」の意味・わかりやすい解説

ニトリロ三酢酸
にとりろさんさくさん
nitrilotriacetic acid

分析試薬の一つ。ニトリロトリ酢酸アンモニア三酢酸、トリス(カルボキシメチル)アミンなどともいう。略称NTA。アンモニアとクロロ酢酸とからシアン化カリウムホルムアルデヒドの作用で得られる無色結晶で、冷水に難溶。アルカリ土類金属、マグネシウム、重金属イオンと水に溶けやすい安定な一対一の錯塩をつくる(配位子としてはntaH3と略記)。錯塩の安定度はエチレンジアミン四酢酸EDTA)より劣る。二ナトリウム塩はキレート滴定用の試薬として使われている。

[務台 潔]


ニトリロ三酢酸(データノート)
にとりろさんさくさんでーたのーと

ニトリロ三酢酸
  CH2COOH
  |
  NCH2COOH
  |
  CH2COOH

 分子式  C6H9NO6
 分子量  328.6
 融点   241.5℃
 沸点   (分解
 分解   247℃

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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