日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニルガイ」の意味・わかりやすい解説
ニルガイ
にるがい
nilgai
[学] Boselaphus tragocamelus
哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ウシ科の動物。アンテロープの1種。ウマカモシカともいう。インド半島に分布し、樹木の点在する丘陵地の草原や低木林のある平原に生息する。肩高1.3~1.4メートル、体重270キログラムほどに達する。角は雄だけにあり、長さ20~30センチメートル。体色は性や年齢によって異なり、雄の成獣は灰黒色、雌と若い雄は黄褐色である。通常、雄は単独、雌と子は4~10頭の小群で生活し、朝夕に木の葉や果実、草などを食べる。嗅覚(きゅうかく)と視覚が鋭く、敵を発見すると岩石地でもウマ並みに走る。交尾期は普通3~4月で、妊娠期間247日前後。11~12月に1産1~2子を産む。子は多くは2子で、寿命は15年ほどである。
[今泉忠明]