日本大百科全書(ニッポニカ) 「ネオンテトラ」の意味・わかりやすい解説
ネオンテトラ
ねおんてとら
neon tetra
[学] Paracheirodon innesi
硬骨魚綱コイ目カラシン科に属する淡水魚。南アメリカ原産の観賞魚として広く飼育されている。全長約4センチメートル。アマゾン川上流部の密林中の細流に生息している。体側の後半部は真紅、その上部には目から尾びれ近くにかけて光り輝く青い線が走るきわめて美しい魚で、1936年に発見され観賞魚の世界に紹介されて以来、その色彩にちなんでネオンテトラと名づけられ、熱帯魚の女王として人気を保っている。
ネオンテトラは弱酸性の清澄な軟水を好む魚であるが、日本の飲料水であれば水質に問題はなく、飼育は容易である。小形魚なので高さと幅が30センチメートル程度の小型水槽でも十分飼育できる。飼育適温は23~26℃。水槽中での産卵はこれまで非常に困難とされてきたが、最近では世界各地で繁殖されている。産卵には若い親がよく、pH6.5程度の清潔な軟水を用い、強い光線を避ける。卵は細菌に侵されやすいので、容器はあらかじめ熱湯などで消毒したほうがよい。
[多紀保彦]