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魚竜(読み)ギョリュウ

百科事典マイペディアの解説

魚竜【ぎょりゅう】

中生代の海に栄えた魚類に似た爬虫(はちゅう)類。三畳紀前期に出現し,特にジュラ紀白亜紀に,大きさ,習性ともに現在のイルカに似た魚竜が全世界に分布した。代表例はジュラ紀のイクチオサウルスで,体長約3m,体は流線形で,四肢は鰭脚(ききゃく)に変形し,尾びれが1枚と肉質の背びれが1個。生活様式は大型魚類と同様で,胴や尾びれの形態は,現在のマグロやサバのようなスピードの速い魚に似た点が多い。卵胎生。多くは魚食性。

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世界大百科事典 第2版の解説

ぎょりゅう【魚竜 ichthyosaur】

中生代の全期間を通して栄えた水生の爬虫類(亜綱)Ichthyopterygia。頭骨の側頭窓が後眼窩骨と状骨の上に開く。広弓亜綱Euryapsida魚竜目Ichthyosauriaとすることもある。ジェラ紀のイクチオサウルスIchthyosaurus(イラスト)が代表例。ほとんどが海生で,高度に水中生活に適応し,頸部はほとんどない。体型は紡錘形であり,魚類または哺乳類のイルカ類とも類似している。眼が大きく,頭の先端は伸びてくちばし状となる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

魚竜
ぎょりゅう
ichthyosaur
[学]Ichthyosauria

魚のような生活をし、外観も魚のようになった中生代の海生爬虫(はちゅう)類。イクチオサウルスIchthyosaurusはその代表属である。最大の魚竜は1999年カナダのロッキー山脈のジュラ系から発見されたもので、全長約23メートル、頭長約5.5メートルもあった。魚竜は外形が流線形であったばかりでなく、脊椎(せきつい)骨が魚のものに似た浅い皿状を示す。ドイツのジュラ紀層から発見された化石には、体の輪郭が炭化した薄膜として保存されていた尾びれと背びれをもつものがあった。とくに中生代ジュラ紀および白亜紀の魚竜の背骨は尾びれの下葉に入り、その支柱となっていた。指骨や手首、くるぶし、腕や足の長い骨は多少なりとも丸く円盤状となっていた。
 口は普通鋭い歯で武装され、魚や頭足類を食べたことは、胃中の残骸(ざんがい)から証明されている。非常に大きい骨膜環があって、潜水時の水圧変化に備え、視力はよかったらしい。体腔(たいこう)内に生まれる前の幼体が保存されていたり、出産中の子が化石化した例も発見されている。ジュラ紀前期の、約1億8000万年前に生息していたステノプテリギウスStenopterygiusでは妊娠した個体約50頭が知られ、大部分は1~2個体の胎児であるが、十数体のものもある。出産時の胎児の最大長は60~70センチメートルで、親の大きさの30~40%を示し、現生イルカなどと同様である。日本からも、宮城県の三畳紀層からウタツリュウ(ウタツサウルス)Utatsusaurus hataii、同じくジュラ紀層からシズカワ魚竜(テムノドントサウルス)Temnodontosaurus sp.、北海道の白亜紀層からユウバリ魚竜(ミオプテリギウス)Myopterygius (?) ezoensisなどが報告されている。[小畠郁生]
『真鍋真著「両生類・爬虫類・鳥類」(速水格・森啓編『古生物の総説・分類』所収・1998・朝倉書店) ▽クリストファー・マクガワン著、月川和雄訳『恐竜解剖 動きと形のひみつ』(1998・工作舎)』

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