日本大百科全書(ニッポニカ) 「ネチケット」の意味・わかりやすい解説
ネチケット
ねちけっと
netiquette
ネットワークnetworkとエチケットetiquetteとの合成語。ネットワーク上のサービスを利用するうえでの、最低限のマナーやエチケットをさす。1980年代にアメリカで生まれたことばとされており、日本でもニフティサーブなどのパソコン通信が盛況だった1980年代後半から使われていたが、インターネットの普及でより一般的になった。
基本となるのは、挨拶(あいさつ)やことば遣いなど一般的な社会のルールやマナーと同じだが、その他に丸付き数字などの機種依存文字(特定の機種やOS(オペレーティングシステム)でしか表示できない文字)や記号、半角カナなどを使わないといった、技術的な問題を防ぐ意味でのネットワーク独自のルールも含まれる。たとえばメールの場合、タイトルは簡潔に、文章はわかりやすくといった常識的なことから、あまりに大きなファイルは添付しない、同報の場合はアドレスが表示されないようにBCC(blind carbon copy)を使うなど、受け手の便宜を考えることがネチケットの基本である。その他、掲示板やチャットなどで個人情報を流さない、知らないアドレスのメールは開かない、チェーンメールに参加しないなど、インターネットを使う場合の危機回避のためのルールなどもネチケットとして扱われるようになってきた。
ネチケットに関するガイドラインとしては、インターネット技術の標準化を推進しているIETF(Internet Engineering Task Force)という団体が1995年にまとめた「Netiquette Guidelines」がある。日本でも、1996年(平成8)に通商産業省(現、経済産業省)と電子ネットワーク協議会(現、インターネット協会)が「電子ネットワーク事業における倫理問題に係る自主ガイドライン」のなかで「パソコン通信サービスを利用する方へのルール&マナー集」を策定した。また、一般財団法人インターネット協会が「インターネットルール&マナー検定」を開催し、インターネットを利用する上でのルールやマナーの検定試験を行っている。
[編集部]