ネモフィラ(その他表記)Nemophila insignis Dougl.

デジタル大辞泉 「ネモフィラ」の意味・読み・例文・類語

ネモフィラ(〈ラテン〉Nemophila)

ムラサキ科一年草。北アメリカ原産。高さ15~20センチ。春に淡青色の5弁の花を咲かせる。和名ルリカラクサ瑠璃唐草)。

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改訂新版 世界大百科事典 「ネモフィラ」の意味・わかりやすい解説

ネモフィラ
Nemophila insignis Dougl.

花色が幼児の碧眼を思わせるほど美しいので,baby-blue-eyes英名があるハゼリソウ科の一年草。和名はルリカラクサ。春,花壇に植え込むと青一色に美しく,鉢植えにも喜ばれる。原産地はアメリカのカリフォルニア州。茎はよく分枝して広がり,草丈約20cm。全株に粗毛があり,葉は羽状に7~9片に深裂する。4~5月,枝先に5深裂した杯状の花を開く。花色はコバルトブルー,花心は白のぼかし。種まきは9月末,小鉢にごく少量の種をまき,間引いて3~5本を1鉢として育てる。平鉢にばらまきすると,苗を移植するとき,葉の欠刻が互いに絡みついて引き離すことができない。冬には霜にあてないようにする。日だまりの花壇では,直まきでばらまきし,間引きして育ててもよい。

 別種N.maculata Benth.は花が白く,各裂片に濃紫色の斑点があり,美しい。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ネモフィラ」の意味・わかりやすい解説

ネモフィラ
Nemophila; nemophila

ハゼリソウ科ネモフィラ属の総称。 18種が北アメリカに分布する。いずれも一年草で,匍匐して伸び広がる。葉は柔らかく羽状に裂け,対生または互生。5裂する鐘形の花が腋生する。花壇や鉢植えで一般的に栽培されるネモフィラ・メンジーシー (→ルリカラクサ ) は,帰化植物のオオイヌノフグリと同質の澄んだ空色の花をつける。花径 1.5~2cm。この変種ディスコイダリス var.discoidalisの花は紫褐色で白色の覆輪 (ふくりん) が入り,花径は母種より一回り小さい。ほかに,白色の花弁先にインクのしみのような濃紫色の斑点が入るネモフィラ・マクラタ N.maculataが栽培される。秋に種子をまき,日当りと水はけのよい環境で育てる。腐植質の多い肥沃な土壌が適している。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ネモフィラ」の意味・わかりやすい解説

ネモフィラ
ねもふぃら
baby blue eyes
[学] Nemophila menziesii Hook. et Arn.
Nemophila insignis Benth.

ハゼリソウ科(APG分類:ムラサキ科)の一年草。アメリカ、カリフォルニア原産。全株に粗い毛がある。茎は柔らかく、きわめて分岐性に富み、横に広がり、先端は直立して高さ15~20センチメートル、葉は羽状深裂する。4~5月、茎の先端に、淡青色で中心に白色のぼかしがある径2センチメートルの小花を多数開く。純白色の変種もある。

 普通9月上旬に種子を播(ま)き、一度仮植えしてから鉢植えにし、霜よけして越冬させ、春、花壇に定植する。フレーム栽培は徒長しやすいので注意する。

[山口美智子 2021年7月16日]

 ネモフィラなどが含まれるハゼリソウ科はAPG分類ではムラサキ科に統合された。

[編集部 2021年7月16日]


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百科事典マイペディア 「ネモフィラ」の意味・わかりやすい解説

ネモフィラ

北米原産のハゼリソウ科の一属で,約20種があり,一年草。代表的な栽培種はネモフィラ・メンジェシー(和名ルリカラクサ)で,高さ20cm内外になり,全草に粗毛がある。分枝性に富み,株が広がる。小葉は7〜9深裂する。花は径2cm内外の杯形で青色。園芸種には斑紋のある花や白色花もある。このほか,高さ30cmほどになるネモフィラ・マクラータも栽培される。花は白色で花弁の先に濃紫色の斑点が入るが,青色の花弁に白覆輪が入る園芸品種もある。涼しく乾燥した気候を好むので,日本では主に秋まき一年草として栽培されている。花壇向き。

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知恵蔵mini 「ネモフィラ」の解説

ネモフィラ

ムラサキ科ネモフィラ属の一年草。原産地は北アメリカ西部。葉の形が唐草模様に似ていることから、和名ではルリカラクサ(瑠璃唐草)と呼ばれる。繊細な茎の先から丸みをおびた直径2~3センチメートルの青い花を咲かせる。多肉質の茎には繊毛があり、切れ込みの入った葉が生い茂る。春の花壇やコンテナの寄せ植え、緑化の材料となるワイルドフラワーとしても利用されている。茨城県ひたちなか市の国営ひたち海浜公園はネモフィラの名所として知られ、毎年4月中旬~5月上旬に見頃を迎える。

(2018-4-12)

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