日本大百科全書(ニッポニカ) 「ノジギク」の意味・わかりやすい解説
ノジギク
のじぎく / 野路菊
[学] Chrysanthemum japonense Nakai
キク科(APG分類:キク科)の多年草。茎の下部は横に伸び、上部は斜上して高さ0.7~1メートル、多く枝分れする。葉は3~5中裂し、裏面は灰白色の毛を密生する。10~11月、径3~5.5センチメートルの頭花をつける。舌状花は普通白色であるが、ときには淡紅色や黄色を帯びたものもあり、野生ギク中でもっとも大きく美しい。海岸近くの山麓(さんろく)や崖(がけ)に生え、四国、中国地方、九州に分布する日本の特産種である。開花径が5センチメートル以下の小ギクとよばれる栽培菊の品種には本種の遺伝的性質が取り込まれている。
[小山博滋 2022年3月23日]