改訂新版 世界大百科事典 「ハゴロモノキ」の意味・わかりやすい解説
ハゴロモノキ
silky oak
silk oak
Grevillea robusta A.Cunn.
オーストラリア東部原産のヤマモガシ科の常緑高木で,樹高25~45m,直径0.6~1mになる。樹姿や特異な葉形が美しく,熱帯~亜熱帯で並木や庭園樹として植えられ,また茶園やコーヒー園の防風樹,庇陰(ひいん)樹とされる。一名シノブノキ,キヌガシワ。葉は互生し,葉身は長さ15~30cmの広楕円形で,シダ類の葉のように細かく羽裂し,羽片の先端は反曲する。葉の裏面には銀白色の毛がある。花序は長さ7~12cmの総状で,片側に偏して金黄色~橙黄色をした多数の筒状の小花をつける。花期は6月。果実は長さ約1.5cmの先のとがった舟形の袋果。種子は扁平な楕円形で周囲に翼をもつ。木材は褐色の心材をもち,気乾比重0.60。広放射組織があるため,柾目面に銀色の光る虎斑(とらふ)が現れ美しいので,家具,建築装飾材などに用いられる。生長が比較的速く,造林も行われる。
執筆者:緒方 健
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報