ハマビワ(読み)はまびわ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハマビワ」の意味・わかりやすい解説

ハマビワ
はまびわ / 浜枇杷
[学] Litsea japonica (Thunb.) Juss.

クスノキ科(APG分類:クスノキ科)の常緑高木で、高さ7メートルに達する。幹は褐色、枝は褐色の毛が密生する。葉は厚く、狭楕円(きょうだえん)形、長さ7~15センチメートルで、全縁。花は10~11月、葉腋(ようえき)から出た散形花序につき、淡黄色の花を開く。雌雄異株漿果(しょうか)は球形で長さ1.5~1.8センチメートル。翌年の春に黒緑色に熟す。本州(山口県、島根県)、四国、九州、沖縄および朝鮮半島に分布し、海岸の近くに生える。

 名は、沿海地に生え、葉の形や枝や葉に毛の多いことがビワ(バラ科)に似ることによる。ハマビワ属は約200種があり、アジア、南北アメリカ、オセアニアに分布する。

[門田裕一 2018年8月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハマビワ」の意味・わかりやすい解説

ハマビワ(浜枇杷)
ハマビワ
Litsea japonica

クスノキ科の常緑高木で,西日本の暖地海岸の照葉樹林中に生える。ケイジュ (桂樹) ともいう。高さ 7mぐらいになり樹皮は濃褐色。葉は有柄で互生し,厚い革質の長楕円形で,裏面黄褐色綿毛が密生し,長さ 10cmほどで,シャクナゲの葉を思わせる。秋に,葉腋から数個の黄白色の花をつけ絹毛をかぶる。雌雄異株。花被は6深裂する。おしべは花被より長く9本ある。液果は楕円形で熟すると碧紫色になる。ハマビワの名は葉の形状によるもので,果実は食べられない。

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