はんぺん

日本大百科全書(ニッポニカ)「はんぺん」の解説

はんぺん
はんぺん / 半片
半平

魚のすり身ヤマノイモなどを加えて成形し、ゆでたもので、柔らかい感触魚肉練り製品一種。名前の由来は、駿河(するが)国(静岡県)の料理人半平(はんぺい)が考案したのによるとか、魚肉のすり身を椀(わん)の蓋(ふた)半分に盛って形をつくったので半片と称するようになったとかいわれている。原料はおもにサメの肉が用いられる。肉を水でよくさらしてから食塩を加えてすりつぶす。次に、すりおろしたヤマノイモを5~10%加え、気泡を含むようにすり混ぜる。これを角型、花型などの木枠に詰め、水中に浸(つ)けて枠から外し、85~90℃の熱湯中で約10分煮熟(しゃじゅく)する。ヤマノイモを加えることにより製品中には細かい気泡が含まれ、スポンジのような柔らかい感触になる。原料には冷凍すり身を用いることも多い。はんぺんはとくに関東地方で好んで食べられる。おでん種、吸い物種のほか、焼いてわさびじょうゆで食べたり、煮物などに用いられる。静岡県には黒はんぺんと称するものがある。これは、サバ、アジ、イワシなどを原料とし、食塩、デンプンなどを加えて湯煮したものである。

[河野友美・大滝 緑]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「はんぺん」の解説

はんぺん

魚肉練製品の一種。中国では方餅 fang bingと書く。すり身として粘性の強い白身の魚肉,主としてさめの肉を使う。ほしざめ,あおざめ,めじろざめ,尾長ざめ,よしきりざめあるいはかじきなどの魚肉を十分水にさらし,すり身をつくり,これに食塩,砂糖味醂化学調味料,上新粉と5%程度のやまのいものすりおろしたものを加えて十分に練り上げる。これを角形花形などの木枠に詰め,冷水に浸して木枠からはずし,熱湯中で煮熟して浮き上がったものを製品とする。その感触,風味が好まれ,おでん種(→おでん),吸物種,あるいは焼き物として賞味されている。

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