はん‐ぺん【半片】
- 〘 名詞 〙
- ① 一片の半分。一切れの半分。はんきれ。ほんのちょっとの量。〔運歩色葉(1548)〕
- ② うすくて小さな物の片一方の面。
- [初出の実例]「鰈、平目は、共に半片白く、半片黒くして、黒き方に目あり」(出典:小学読本(1874)〈榊原・那珂・稲垣〉三)
- ③ ( 二朱銀を一片というので、その半分の意に用いて ) 一朱銀のこと。
- [初出の実例]「一朱金半へんと書くかまぼこ屋」(出典:雑俳・柳多留‐九〇(1826))
- ④ 「はんけん(半券)」のこと。
はん‐ぺら【半片】
- 〘 名詞 〙
- ① 一枚の紙の半分、半面。
- ② 通常、B5判またはA5判に断裁された紙の大きさをいう俗称。
- ③ ②の大きさの原稿用紙。普通二〇〇字詰の原稿用紙をいう。ぺら。
- [初出の実例]「半ペラの原稿用紙と辞書、インク、ペン、それだけしかない」(出典:砕かれた顔(1953)〈堀田善衛〉二)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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半片 (はんぺん)
魚のすり身にヤマノイモなどを加えてゆでた練製品の一種。わん(椀)のふたや型を用いて半月形にしたための名と思われる。〈半平(はんぺい)〉ともいい,それから転じた語ともされるが,文献上は室町末期ごろからまず〈はへん(半弁)〉なる語が現れ,江戸前期に〈はんへん〉,中期以後に〈はんへい〉の語が出現する。初めはかまぼこ同様ハモなどの高級魚を用いていたが,江戸末期には米粉などの混ぜ物の多い粗製のものが増え,形も角形が多くなったと《守貞漫稿》は書いている。また京坂では,はんぺんを揚げたもの,つまり,今の薩摩揚げと同じものを〈てんぷら〉と呼んでいた。現在ではサメなどを用いるものが多くなり,昔ながらの上質のものをつくる店は少なくなった。そのまま,あるいは焼いてワサビじょうゆで食べ,また,吸物の具やおでんの種などにする。
→蒲鉾(かまぼこ)
執筆者:鈴木 晋一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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半片【はんぺん】
半平(はんぺい)とも。魚肉の練製品の一種。駿河の料理人半平の創製ともいう。おもにサメ類の肉を用い,ヤマノイモをすりおろして加え,薄い枠(わく)型に入れ熱湯で数分加熱。軽くて柔らかで,汁の実,おでん種などにする。
→関連項目日本料理
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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