バイオテレメトリー(読み)ばいおてれめとりー(英語表記)biotelemetry

翻訳|biotelemetry

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バイオテレメトリー」の意味・わかりやすい解説

バイオテレメトリー
ばいおてれめとりー
biotelemetry

種々の生体情報遠隔計測することをいう。ここでいう遠隔には、距離的に遠いということのほか、到達しにくい部位の情報を伝えるという意味もある。バイオテレメトリーは、1960年ころ、抗生物質の錠剤くらいの大きさのカプセルに、トランジスタコンデンサー電池などの小型電気部品からできた小型情報発信器(ラジオカプセル、エコーカプセル)を組み込み、これを飲み込むことによって胃や腸の温度、圧力、酸度を測定する試みがなされ、注目された。手術中、あるいは心筋梗塞(こうそく)後の患者の心電や血圧を監視するために、有線無線でデータを送信する方式(テレメータ)がよく用いられる。宇宙飛行士やパイロットの生体情報も無線によって地上に送信されている。情報送信の手段としては、おもに電気的方法が用いられているが、光を送信媒体とする方法についての研究も進められている。今後は、生体情報の変換器の開発によって、心電、血圧、血流などのほか、種々の生体情報や生体内の影像のテレメトリー(送信と記録)も可能となるであろう。

 なお、医学分野だけでなく、野生動物の生態、環境保護を目的としたバイオテレメトリーも実施されつつある。

[須磨幸蔵]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バイオテレメトリー」の意味・わかりやすい解説

バイオテレメトリー

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