バイコヌール(読み)ばいこぬーる(その他表記)Байконур/Baykonur

デジタル大辞泉 「バイコヌール」の意味・読み・例文・類語

バイコヌール(Baykonur)

中央アジアカザフスタン中部にある宇宙基地ソ連が1955年に建設し、ボストークの打ち上げなどを行った。ソ連解体後はロシアが使用している。名称近隣地名にちなみ、所在地はチュラタム。バイコニュール

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バイコヌール」の意味・わかりやすい解説

バイコヌール
ばいこぬーる
Байконур/Baykonur

中央アジア、カザフスタン共和国のほぼ中央(カラガンダ州西部)に位置するバイコヌールの南西370キロメートル、アラル海の東160キロメートルにある宇宙基地。Baikonur,Bayqongyrとも表記する。ソ連時代の1955年に建設された。三つの主要基地をもち、有人無人衛星が打ち上げられてきた。1961年4月、ガガーリン少佐を乗せた世界最初の有人宇宙船ウォストーク1号もここから打ち上げられた。続いて63年6月、世界初の女性宇宙飛行士テレシコワを乗せたウォストーク6号が打ち上げられた。以来、ソ連の衛星船、宇宙船はすべて、また1991年のソ連邦崩壊後もロシアの衛星船、宇宙船はすべて、この基地から打ち上げられている。実際の所在地は、宇宙基地から48キロメートル南のカラガンダ州チュラタムになるが、秘密保持のためにバイコヌールが公式に採用された名称である。最盛期は、1970~80年代であり、1994年のバイコヌール基地の人口は6万人で、ほとんどがロシア国籍であった。ソ連邦崩壊以降は、ロシアがカザフスタンに使用料を払って借用している。

[山下脩二]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「バイコヌール」の意味・わかりやすい解説

バイコヌール
Baikonur

中央アジア,カザフスタン共和国中央部のカラガンダ州西部,アラル海の北東約400kmにあるソ連時代からの重要な宇宙基地。いくつかの発射台,技術基地,測定所がある。1957年,世界最初の人工衛星の発射基地となり,61年の人類初の宇宙飛行士ガガーリン搭乗の宇宙ロケット〈ボストーク1号〉以来,〈ボスホード〉〈ソユーズ〉など数多くの有人宇宙船,軌道ステーションが打ち上げられた。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バイコヌール」の意味・わかりやすい解説

バイコヌール
Baikonur

カザフスタンにある有人宇宙船打ち上げ基地。西シベリアのアラル海北東,北緯 47°,東経 65°付近にあり,平原なかに宇宙ロケット発射場,飛行管制センター,工場,宿舎など,宇宙基地 (コスモドロム) としての機能が完備している。 1961年ボストーク1号で Y.A.ガガーリン少佐が宇宙へ飛び立って以来,すべての有人宇宙船,惑星探査機などがここから打ち上げられてきた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「バイコヌール」の意味・わかりやすい解説

バイコヌール

カザフスタン共和国内,アラル海の北東約300kmにある代表的なロシアのロケット発射場。ソ連時代からの基地で,1961年4月12日のボストーク1号打上げ以来著名。1995年から20年契約でロシア連邦が借用。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のバイコヌールの言及

【ロケット発射場】より

… チュラタム基地(旧ソ連)アラル海の東,チュラタムの真北にあるソ連最初の宇宙打上げ基地。別名バイコヌール基地。北緯45.8゜,東経63.3゜付近を中心に東西100km,南北50kmの広大な地域に施設が散在している。…

※「バイコヌール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android