インドネシアのスマトラ島北部、トバ湖周辺の内陸高地に居住するプロト・マレー系の民族集団。オーストロネシア語族系のバタック語を母語とし、インド起源と考えられる固有の文字を有する。水稲耕作とトウモロコシ・イモ類などの畑作、スイギュウ・ウシ・ブタ・ニワトリ等の飼育が主たる生業だが、トバ湖での漁業や山岳地帯での焼畑耕作と森林産物採取も重要である。バタック社会では父系制親族原理が認められ、父系氏族が外婚単位となっている。妻を与えた側の親族集団は、妻を受け取った側の親族集団から豊穣と繁栄の源として崇敬され、社会関係においても優位な立場に置かれる。方言と慣習の差違に応じて、北から順にカロ、シマルングン、パクパク、トバ、アンコラ、マンダイリンの6グループに分けられる。このうちトバ湖周辺に住むトバ人が最大の集団であり、バタック人という呼称はしばしばトバ人を指し示すのに用いられることがある。1930年の人口は100万人ほどだったが、90年にはバタック人の故地に相当する6県の人口だけで約320万人、この他に公務員、教員、軍人、労働者等として都市で生活する者が多い。アンコラ人とマンダイリン人には19世紀前半以降イスラム教が浸透したが、ほかのグループでは19世紀後半以降キリスト教への改宗者が増加した。とりわけトバ人の間ではキリスト教徒が多くその教会組織はインドネシア最大だが、祖先崇拝を核とした伝統宗教との混淆(こんこう)もみられる。トバ人の故地では1960年代以降、移住者からの富の環流を背景に、祖先の遺骨を掘り返して壮麗な墓に再安置する改葬儀礼が隆盛している。
[池上重弘]
『クンチャラニングラット編、加藤剛他訳『インドネシアの諸民族と文化』(1980・めこん)』
〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...
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