バンショア

百科事典マイペディア 「バンショア」の意味・わかりやすい解説

バンショア

フランドルの作曲家。デュファイと並ぶブルゴーニュ楽派の代表的作曲家。エノー伯領のモンス(現ベルギー)に生まれ,1420年代後半から1452年までブルゴーニュ侯フィリップ・ル・ボン宮廷礼拝堂で活躍。作品の中心はフランス語による3声部の世俗歌曲で,優美な旋律宮廷風恋愛がつづられている。ミサ曲モテットなどの宗教曲も50曲余りあるが,カンブレ大聖堂を主な活動の地としたデュファイとは異なり,〈循環ミサ曲〉は1曲も残していない。→ダンスタブルミサ曲
→関連項目シャンソン

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改訂新版 世界大百科事典 「バンショア」の意味・わかりやすい解説

バンショア
Gilles Binchois
生没年:1400ころ-60

フランドルの作曲家。デュファイと同世代で,ともにブルゴーニュ楽派を代表する。1424年ころフランスの一部を統治するイギリスサフォーク伯に仕えたが,25年ころから30年間にわたりブルゴーニュ公国のフィリップ・ル・ボンの宮廷で活躍。優美な旋律と均衡のとれた構成をもつ世俗的声楽作品(主としてフランス語のロンドー)で知られているが,多様な様式技巧を示すミサ楽章やモテットなど,宗教曲も50曲余り残した。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バンショア」の意味・わかりやすい解説

バンショア
Binchois, Gilles

[生]1400頃.モン
[没]1460.9.20. モン近郊
フランドルの作曲家。 1430年ブルゴーニュの宮廷礼拝堂の司祭となり,ブルゴーニュ楽派の作曲家として,G.デュファイとともに教会音楽を作曲し,デュファイはオルガン奏者,バンショアはハープ奏者として活躍。作品はミサ,マニフィカト,モテトなどの教会音楽ほかに,フランス語のシャンソンなど,世俗的な音楽も作曲した。

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世界大百科事典(旧版)内のバンショアの言及

【音楽】より

…14世紀に芽生えたルネサンス的ないぶきは15世紀前半になってさらに強まる。ブルゴーニュ公国の宮廷やその広大な領土内で活躍した一群の作曲家をブルゴーニュ楽派というが,その代表者G.デュファイとG.バンショアは,J.ダンスタブルを中心とするイギリス音楽から大きな刺激を受け,ミサ曲やフランス語のシャンソンの分野で豊かな成果を生んだ。特に,古くからイギリス人が好んだ3度や6度の音程を採り入れ,その後西洋音楽の基礎となる3度和声を確立したことが重要である。…

【ブルゴーニュ楽派】より

…ときにフランドル楽派の第1期と呼ばれることもある。代表的な作曲家にはバンショアデュファイがいる。現在のブルゴーニュはディジョンを中心とするフランス東部地方を指すが,1363年から1477年まではバロア家が治める公国であった。…

※「バンショア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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