日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブルゴーニュ楽派」の意味・わかりやすい解説
ブルゴーニュ楽派
ぶるごーにゅがくは
Burgundian school 英語
burgundische Schule ドイツ語
école de Bourgogne フランス語
scuola borgognona イタリア語
15世紀に、ブルゴーニュ公国の宮廷およびその周辺で活躍した音楽家たちの総称。14世紀の後半に生まれ、15世紀の中葉過ぎまで存在したバロア系ブルゴーニュ公国は、15世紀のフィリップ2世の治世下(1419~67)に最盛期を迎え、政治的にも文化的にも当時のヨーロッパの中心的な勢力となったが、その宮廷ではバンショワをはじめとする優れた作曲家が活躍し、宮廷風の愛を歌った多声シャンソンや典礼音楽を展開していった。ブルゴーニュの宮廷音楽は、その周辺の地域、たとえばフランスの宮廷、サボア公国の宮廷、北イタリア諸都市、それに司教都市カンブレの音楽に大きな影響を与え、そうした周辺の地域で活躍したデュファイなども、ブルゴーニュの宮廷音楽の影響を受けた音楽を書いていった。
[今谷和徳]