ダンスタブル(読み)だんすたぶる(英語表記)John Dunstable

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダンスタブル」の意味・わかりやすい解説

ダンスタブル
Dunstable, John

[生]1385頃.ダンスタブル?
[没]1453.12.24. ロンドン
イギリスの作曲家。生涯についてはほとんど知られていない。天文学者数学者でもあった。ベッドフォード公に音楽家として仕え,1422~35年フランス,特にパリに滞在していたことはほぼ確実である。3度や6度の協和音重視や不協和音の新しい処理の仕方などで特色のあった彼の音楽は大陸で広く流布し,G.バンショアや G.デュファイに大きな影響を与えた。作品は約 55曲保存され,4声のモテト『ウェニ・サンクテ・スピリツス』 Veni sancte Spiritusやイタリア語歌曲『うるわしきばら』などが有名。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ダンスタブル」の意味・わかりやすい解説

ダンスタブル
だんすたぶる
John Dunstable
(1390?―1453)

イギリスの作曲家。姓はDunstapleとも書かれる。百年戦争末期に北フランスを統治したベッドフォード公ジョンに仕えたこと以外、経歴についてはほとんど知られていないが、当時から優れた音楽家として名声を博し、天文学者、数学者としても知られていた。作品は、ミサ曲モテトゥスなどの宗教曲がほとんどを占めるが、とくにミサ曲では、各章に共通の定旋律を用いて全体を統一しようとする試みがなされ、それは、イギリス独特の和声法などとともに、デュファイをはじめとする同時代のヨーロッパ大陸の作曲家に大きな影響を与えた。

[今谷和徳]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例