改訂新版 世界大百科事典 「パラナ」の意味・わかりやすい解説
パラナ[州]
Paraná
ブラジル南部の州。面積19万9544km2,人口956万3458(2000)。州都クリティバ。大西洋に面し,ほぼ南緯22°30′から26°43′の間に位置する。大西洋岸に沿って標高2000mに近い海岸山脈(最高点パラナ山,1962m)が南北に走り,その内陸には,標高900m前後の高原が広がり,西方で高度を低めてパラナ川に達する。川をへだててパラグアイおよびアルゼンチンと接する。クリティバで年平均気温17.2℃,6~8月には零下を記録することがある。年降水量は1307mm,5月と8月に2度の乾季が現れる。自然条件や開拓の歴史の違いで,北パラナとその他とに分けられる。前者は高度の低い高原で,テラ・ロッシャ土壌(テラ・ロッサ)に広くおおわれる。サン・パウロ州西部からの開拓前線に当たり,サン・パウロ州に匹敵するコーヒー栽培地帯であり,サトウキビ,大豆,小麦の栽培も多い。サン・パウロ州に次いで日系人が多く,アサイ市は朝日植民地に由来する。この地方の中心はロンドリナ。クリティバを中心とする中部と南東部は,高度も高く,パラナマツ(ナンヨウスギ属の1種)の植生が特徴的。牧牛を中心とする農牧業地帯で,ドイツ人,イタリア人のほか,ポーランド人などスラブ系の移民が多い。
執筆者:西川 大二郎
パラナ
Paraná
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報